タミー登場後のエピソードで一番印象に残ったエピソードは、第17話「地獄へ送る世紀の大魔術」。今回のハングマンの任務は、改造拳銃の密造組織を探り出すこと。内容も然ることながら、ゲスト陣がまた個性豊かな面々で面白かったですね。当時のアクション系刑事ドラマの犯人役でもお馴染みだった阿藤快氏が怪しいゲイバーのママ役で登場。ボンテージ姿が強烈だった。不気味なお面をかぶってハープを奏でているマイトや、逆さに吊られて、水攻め拷問されるブラックなど、インパクトのある映像が多かった。
そのゲイバーのママに弟を殺されたマジシャン役で二代目引田天功氏が出演していました。引田天功さんと言えば、同年に放送されていた『電子戦隊デンジマン』の第31話「魔法使い秘術合戦」でもやはり、ベーダーに父を殺されてしまうマジシャン役で出演されていましたが、ハングマンにも同様の役で出演されていたとは意外でした。お仕置き方法も、やはり、遊園地で行われているマジックショーを使った大掛かりなものになっていましたね。決死の脱出マジックは、テレビ中継され、大勢の視聴者の前で犯人達が罪を自供すると言う大胆な見せ場になっていました。今回ロケ地として使われていた遊園地は、富士急ハイランド。刑事ものやら特撮ヒーローものやらジャッキーの映画など、いろんな作品で使われている有名な遊園地ですね。
この話、いつもよりもアクションシーンが多かったですね。マイトが小林稔侍氏演じる犯人の男と激しく殴り合いをするシーンが面白かった。結構長い時間殴り合っていましたね。そう言えば、『西部警察』で小林氏は、関西弁訛りの犯人役を演じ、タツと猛烈な殴り合いをしていたが、あのシーンを彷彿とさせる名場面でした。あと、ジャガーが夜の公園でヌンチャクを振り回したり、板割りしたり、エキスパンダーやったりと話の筋とは関係なしにちょこちょこ出てくるのが気になった。なんかもうすっかりコメディリリーフ的な役割だなジャガー(苦笑)。でも、しっかり格闘の見せ場もあり、存在感抜群。ハングマンのメンバーが横一列になって橋を渡って遊園地から去っていき、最後に富士山が映る空撮のラストシーンも良かったですね。
次は、いよいよブラックとバイクがハングマンから脱退してしまうらしいのですが、このシリーズの顔であったブラックが早々にいなくなってしまうのは、残念ですね。どのような最期を迎えるのか気になります。
チャンネルNECOで放送中の『ザ・ハングマン 燃える事件簿』は、10話まで進みましたが、早くもメンバーの一人・ドラゴン(ディオン・ラム)が一時脱退し、新メンバーのジャガー(ジャガー・ゴースン)が登場。ドラゴンと同じく中国武術の達人で、元香港警察の狙撃隊員。8話では、凄腕のスナイパーになりきり活躍していた。現時点では、まだ目立った活躍は見られないが、ドラゴンのように派手な格闘シーンが期待できそう。
後期のシリーズでは、密室で様々な仕掛けを用いて罪人達を自白させるのが定番になっていたが、初期のハングマンは、まだ罪を自白させる方法が一定していないのが面白いですね。密室ではなく、夜の繁華街のど真ん中とか、外の目立つところで堂々とハンギングしている。例えば、ファッションショーの舞台に証人を呼んで、観客の前で罪人の悪事を喋らせたり、ビルの清掃用のゴンドラに罪人達を乗せて、ガスバーナーでワイヤーを焼き切ろうとしてみたり、下水道に閉じ込めて毒ガスを浴びせるマネをし、自白している様子を新宿アルタの大画面に映して中継したり、わりと大掛かりな作戦が多いのが良い。あのアルタの大画面て笑っていいともが始まる前からあったんですね…。
ハングマンは、戸籍を抹消されていて一応死人と言う形でこの世に存在しているが、ブラック(林隆三)が植物人間になってしまった妹のいる病室に行ったり、マイトが同僚の刑事を助けようとするエピソードは別として、パン(植木ひとし)が妻子がいるパン屋に何度も顔を出しているのは、ちょっとあやふやな感じがする。しかし、ハングマン達がまだ過去を拭えず、苦悩している部分が垣間見えるところも面白いですね。
マイト(黒沢年男)の専用車は、当時映画や特撮ヒーローのマシーンとしても活躍していたRX-7(SA22C型)ですが、ゴールドとブラックのツートンカラー仕様なので、時々、遠目から見ると団長のスーパーZに見えてしまう(笑)。情報を握る女性を助手席に乗せて、荒れ地で暴走したり、公道を突っ走ったり、豪快なカーアクションも結構見られた。
現時点で一番印象に残ったエピソードは、5話「死体を喰うマンション」。新築マンションの案内所で偶然、同僚だった遠藤刑事の妻子と出会ったマイト。マイトは、二人をマンションの建設現場まで車で送るが、その後、二人は、その建設中のマンションから転落し死亡する。事件は、不慮の事故として片付けられ、遠藤は、ドリーム不動産からマンションの契約解除の費用300万円の支払いを要求される。かつて妻子を殺された経験を持つ元刑事のマイトは、同じ境遇に立つ遠藤に力を貸そうとするが…。
不条理な契約書を作り、契約後にマンションに欠陥があることを教え、手付金並びにそれと同額の契約解除費用を契約者から騙し取る悪徳不動産屋。妻子を失い自殺寸前の遠藤を自分と同じようにハングマンにして立ち直らせてくれとゴッドに懇願するマイト。遠藤を救うため、仲間の制止を振り切り、挙句に警察にまで追われながらどこまでも孤独に突き進むマイトの姿が印象に残った。ブラックの説得を無視してRX-7に乗って暴走したり、このエピソードのマイトは、やりたい放題にやってる感じが良いですね(笑)。最後のハンギングのやり方もいつもより過激なのが良い。初期は、ハングマン同士のいざこざもあって、中々面白いです。そして、いつもやりきれない表情を浮かべて立ち去っていくブラックの姿やエンディングの「あれから」が余韻を残す…。もうすぐベニー(あべ静江)殉職回。
もうかれこれ6年ぐらいスカパーを見てきたので、大抵の古き良き名作ドラマは、見てきたつもりですが、でも「特捜最前線」や「Gメン」は、まだ未見のエピソードが数多いし、「大捜査線」「夜明けの刑事」など、一度も見たことがない刑事ドラマも多い。そして、あの名作アクションドラマもリアルタイム以来まだ見ていなかった。それは、80年代、テレ朝金曜夜9時に放送されていた『ザ・ハングマン』シリーズ。なんと今月からチャンネルNECOでシリーズ第一作目に当たる「ザ・ハングマン 燃える事件簿」がスタートしています。
ザ・ハングマンは、当時テレ朝金曜夜10時枠で放送されていた時代劇「必殺シリーズ」から派生した「現代版の必殺」と言う設定で製作されたシリーズ。暗躍する悪人達を殺すのではなく、制裁を加えた上で罪を告白させ、それを世間に公表することによって「社会的抹殺」を図る。それが秘密チーム=ハングマンの役割である。リアルタイムで見始めたのは、パートⅡからだったので、今回初めてパートⅠをようやく見ることになる。映像素材がデジタルリマスター版なのか、物凄く綺麗な映像になっていて驚いた。アダルトチックなOP曲と森山周一郎さんのシブいナレーションがやはり素晴らしくカッコ良い。
ハングマンと言えば、やはり真っ先にイメージするのは、リーダー役を演じた黒沢年男のマイトや、名高達郎が演じたサファリを思い出すんですが、パートⅠでは、コードネーム=ブラックを演じる林隆三がハングマンのリーダーを務めている。マイト役の黒沢年男氏もレギュラーで出ていますが、最初は、リーダーじゃなかったんですね。後のシリーズにもコードネームを変えて出演していた植木等氏もいますが、コードネームが「パン」て(笑)。やはり、自分の中では、オショウのイメージが強いです。ドラゴン役のディオン・ラムは、一時期アクション俳優として活躍していたそうですが、以後は、スタントマンやアクション監督として、『スパイダーマン2』など様々な映画に携わっているお方のようです。ハングマンを操る陰の総司令的な存在のゴッドを演じている山村聰氏は、本家必殺シリーズにもレギュラー出演されていました。
初回は、ハングマンが結成されるまでの経緯が詳しく描かれていたが、メンバーは、全員元刑事で、それぞれに壮絶な裏事情があったようです。例えば、マイト=日下部孝介の場合、妻子を強盗犯に殺されて、以後、行き過ぎた捜査を繰り返す暴力刑事になる。取調室のシーンは、大都会や西部警察を凌ぐハードさで凄かった(笑)。しかも日下の上司役は、西部警察で二代目係長を演じていた高城淳一さんだった。また、ブラック=都築俊也は、大物政治家の車に轢かれて植物人間になってしまった妹の復讐を果たすため、ハングマンになると言うこれもなかなかハードな設定で、復讐に執念を燃やすブラックの姿がとても印象に残った。ただ、「植物人間」のセリフがなぜか消されていたのが気になった。いつから放送禁止用語になったんだ…?
後にハングマンⅡのメンバーだったデジコン(名高達郎)や、タミー(夏樹陽子)も登場するそうなので、その登場回も早く見てみたいですね。私の中でハングマンと言えば、やはりハングマンⅡ。続けて放送してくれると嬉しいのですが。
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