以前ゴリラの欠番についての記事を書きましたところ、多数のコメントを頂きました。どうもありがとうございます。他の作品にも多かれ少なかれ欠番と称して放送されないエピソードが存在しますが、視聴者としては、いつでも完全な形で楽しみたいものですよね。放送当時は、社会的な影響や風潮もあって放送禁止になったものも、今の基準で見直せば、もしかしたら放送できるものもあるのではないか?と思いますが、今は逆に欠番になるエピソードがますます増えてきているのが残念なところです。
ファミ劇で放送中の「ゴリラ警視庁捜査第8班」ですが、本来であれば今週は、欠番エピソードの18話「ゴリラの熱い一日」が放送されるはずだったのですが、予定通りとばされて、今週は、19話「刑事チェンの涙」が放送されます。いつの日か解禁される日が来ることを願っております。
17話まで放送されましたが、あれれ…17話「謎の女」から本編の時間が短くなったことに気づかれた方も多いはず。実は、リアルタイム放送時、17話から冒頭に3分ほどのダイジェストが入るようになり、その分、本編の放送時間が短くなってしまったのです。残念ながらファミ劇では、ダイジェストをカットして放送しているので、以前より短くなってしまっているんですね。太陽にほえろ!にも冒頭に20秒くらいのハイライトがありましたが、カットされずに放送されていますよね。まあでも確かにゴリラの場合は、当時から色々と疑問はありました。ダイジェストにしては、長すぎるんじゃないかとか、見せ過ぎじゃないかとか。太陽にほえろ!みたいにもっとスマートに見せるほうが良かったのでは。あれは、本当にネタばれし過ぎ(苦笑)。
DVDに収録された「博多大追撃」「危険地帯」の二本は、やはり、地方ロケ編ともあって、アクションや爆破もいつも以上に迫力がありました。それ以外で印象に残ったエピソードの一つ「ゲッタウェイ」。リアルタイム時は、このタイトルだったのですが、ファミ劇では、なぜか「逃げて、逃げて」と言うタイトルで放送されていた。視聴率対策の一環なのか、初回から通してきた英語のサブタイトルが10話以降から日本語になったのは、知っていましたが、9話もタイトルが変更されていたとは驚きです。このエピソードの場合は、英語のままでも良かったような。
闇ルートを使って犯罪者を海外へ逃亡させるプロの逃がし屋グループを三日以内に壊滅すべく行動を開始したゴリラ。救急隊員になりすました伊達と風間は、二人組の強盗犯が篭城する宝石店に入り込み、強盗犯達が盗んだ宝石と銃器類を手に入れる。風間は、逃がし屋グループとつながりのある故買屋のヒサマツジョー(成瀬正)と言う男と接触を試みる…。
宝石専門の故買屋ジョーから逃がし屋グループの黒幕の情報を聞き出すため、ゴリラの危険な作戦が展開される。二人組の宝石強盗犯になりすました伊達と風間が地下の駐車場でジョーと取り引きするが、そこに中田刑事(仲村トオル)と谷川があらわれ、三人を捕まえようとする。風間とジョーは、手錠でつながれ、伊達は、中田に撃たれた芝居をして二人から離れる。刑事と犯人が手錠でつながれて、一緒に行動するうちに奇妙な友情が芽生える…みたいな話は、古い映画や西部警察でも「手錠のままの脱走」をはじめ、たくさんありましたが、このエピソードでは、風間とジョーの逃避行が描かれています。
逃がし屋グループに助けを求めるも裏切られて、命を狙われるはめになったジョーと風間。立場の違う二人が運命共同体となり、徐々に追いつめられていく展開がスリリングであり、BGMの使い方もカッコ良かった。風間達を執拗にマシンガンで狙い撃ちしたのが、黒幕ではなかったという意外な展開もあり面白かった。騙された風間がいつにも増して凹んでいる姿がとても印象的でした。
ところで、欠番エピソードで印象的に使われていたカッコ良いあのBGM。サントラやミュージックファイルにも収録されなくて諦めていたのですが、あるところにはあるんもんですね。感謝感激。
https://www.youtube.com/watch?v=bhRs8q_hcBg&feature=player_embedded
国際企業恐喝組織が中興物産グループのビルに爆弾を仕掛け、大木会長とその部下を人質に取り、会長室を占拠した。恐喝組織は、ビルに爆弾を仕掛けた爆弾設計者のヘンリー石黒の釈放とスイス銀行に10億円を振り込むことを要求。大木会長救出の指令を受けたゴリラは、石黒が乗る護送車を奪って石黒の身柄を確保し、爆弾の在り処を突き止めようとする…。やはり、太陽にほえろ!のメンバーの再共演を意識してか、風間と石黒のツーショットのシーンが目立っていたが、ラストで風間が石黒を解放する時に、仲間っぽく石黒と会話をしたり、石黒の肩をポンと軽く叩く風間の姿がドック刑事を彷彿とさせ微笑ましかったですね。アクション的には、倉本がビルに仕掛けられた爆弾を持ってヘリの縄梯子につかまり、そのまま海まで飛行。西部警察PARTⅡ初回でオキが見せたのと同じく、ヘリから海に向かって爆弾を放り込むアクションが印象に残った。
7話『キッドナップカンパニー』…企業トップや資産家を狙う新手の誘拐組織によって三ツ木物産の専務が殺害された。誘拐組織の主犯格で、武井インテリジェンス代表の武井をマークするゴリラは、武井の事務所で発見したフロッピーから、次の誘拐のターゲットが半導体メーカー・オリエントエレクトロニクス会長の長女・三島みゆきであることを知る。倉本は、淳子をみゆきの身代わりに仕立てて、誘拐組織の居所を掴もうとするが…。
犯人がフロッピーに情報を隠しているところや、みゆきのお嬢様ファッションなどは、やはり時代を感じさせられる。はじめは、強情だったみゆきが伊達に殴られて豹変し、伊達と恋人気分で行動したり、二人が高級ブランドのお店で服を買う時に、伊達が周りの目を気にしてぼやきまくったり、途中からみゆきを人質にとってたてこもり犯になってしまう展開は、あぶ刑事のようなコミカルさが感じられた。
ラストの淳子救出の場面で、ヘリで逃げようとする犯人と倉本が銃撃戦を繰り広げ、倉本が左足を撃たれてしまうが、倉本役の渡さんは、実際にその当時、他の撮影で足を怪我しており、それを誤魔化すための苦肉の展開だったと思われます。以降、倉本のアクションは、マシンガンを撃つだけなど、ごく短い時間に限られてしまうが、登場の仕方が団長スタイルっぽくなるし、地方ロケ編もあるし、まだまだ続くアクション路線。
当時のテレビ界は、所謂トレンディドラマ全盛の時代で、刑事ドラマも変革の時代に入り、西部警察のような派手なアクションや特捜最前線のような硬派な社会ドラマを売りにしたものよりも、あぶない刑事のようなファッション性や軽いトークを重視したものや、はぐれ刑事純情派のような人情路線ものが好まれた時代。そんな中で、西部警察の夢をもう一度と毎回ハードなアクションが展開する刑事ドラマが復活。厳密には、刑事と言うよりも、警察の裏組織=「特殊部隊」と言うイメージが強かった。当時は訳あって病院のテレビであの初回を見たのですが、痛みも吹っ飛ぶほど大興奮したのを覚えています。
第2話からは、当然のごとく日本で様々な作戦が展開するわけですが、西部警察のような派手な爆破、カーアクション、銃撃戦、特殊車両の登場に加えて、やはり時代のニーズに合わせてか、あぶ刑事のようなおしゃれな会話や音楽、ファッション性が加味された感じの作風になっていました。残念ながら西部警察のように長くは続かず、一年で終了してしまいましたが、前半期は、このようなアクション路線が展開し、西部警察と同じく数々の地方ロケも行われました。
後半期は、あまり見ていなかったので、今の目線でもう一度今回の放送を楽しもうと思っているのですが、ファミ劇のHPを確認すると…おや、18話が欠番になっている。そんなやばい展開のある話なんてあったけ?と不思議に思ったが、サブタイトルは、「ゴリラの熱い一日」。一体どんな話だったんでしょう…。
と言うことで、やはり放射能絡みの内容だったようです。まあ、放送当時は、日本であのような深刻な原発事故が起こるなんて誰も想像すらしてなかったと思いますし、時代は、バブル真っ只中でしたからね…。核爆弾を扱った話なら西部警察にもあったけど、あちらは、ウランだったかな…。何か誤解を招くようなセリフのやり取りか表現があったのか。確かに伊達がプルトニウムをネタに軽いジョークを飛ばしてはいるが、それほど気になるものでもない。怪しいのは、ラストのゴリラのアジト(会議室)でのやりとりか…。
この話、横浜の山下公園やマリンタワーで撮影されていたり、風間が犯人に振り回されて、銀行強盗をやった挙句、時速20km以下になったら爆発する爆弾がセットされたトラックに乗って暴走したりと、結構緊迫感のあるお話で個人的には面白かったんですが、んー残念。ちなみに、望月を演じているのは、遠藤憲一氏。当時は、あぶない刑事や刑事貴族など、刑事ドラマで犯人役をたくさん演じられていましたね。
初回は、台湾・フィリピンロケを敢行し、日本のアクションドラマ史上に残るジャングルアクションを展開し話題となりました。日本に舞台を戻してからも、西部警察と同様に地方ロケでは、派手なカーアクションや銃撃戦を繰り広げて、石原プロらしい迫力の映像が楽しめました。しかし、主演の渡哲也さんが早々撮影中に怪我をして一線から離脱したり、また、当時「はぐれ刑事純情派」などの人情もの路線の刑事ドラマがヒットし、アクションものは、低迷期に突入。当時は、トレンディドラマ全盛の時代で、刑事ものにもそういうものが求められた。あぶない刑事のヒットを受けて、ファッション性とおしゃれさをアピールした刑事ドラマがたくさん製作されたが、ゴリラもその流れを加味したハードアクションドラマとなったのです。
ゴリラが西部警察以上に人気が出なかったのは、いろいろと事情はありますが、個人的な見解としては、まず警察組織から独立した傭兵部隊と言う設定が重荷になりすぎたことと、やはり、西部警察と比べカーアクションの見せ場が減り、特殊車両の機能や特性があまり活かされなかったこと。そして、「ゴリラ」と言うタイトルもドラマが始まる前までは、いまいち解せなかったんですよね。当時は、シュワちゃんの映画のタイトルをそのまま拝借したのかなと思っていたのですが。もっと昔に千葉真一が主演した「ザ★ゴリラ7」と言うアクションものがあり、これも特殊チームの活躍を描いたドラマだったのですが、その流れを汲んだドラマなのかなとも勝手に思っておりました。
西部警察では、毎度大門軍団が軍隊以上の活躍を見せていましたが、ゴリラも初回は、警察の裏部隊と言う設定を見事に活かした壮大な作品になっていました。それ以降も、部隊設定を活かしたエピソードが続きましたが、やはり、一番印象に残ったのは、第5話の「ニトロトラック」。しかし、今回発売されたDVDには、収録されていませんでした。と言うか、初期のアクション路線のエピソードがほとんどラインナップされていなかったんですね。これは、ちょっと残念。久々にDVDで2話の「ファースト・ターゲット」と、4話の「ルパン・ザ・ポリス」を拝見したのですが、ルパン・ザ・ポリスのほうは、フィルムの保管状態が悪かったのか、縦筋ノイズみたいなのが所々入っていたのが気になった。舘さんが演じる元刑事の伊達と、仲村トオルさんが演じる伊達の後輩の刑事・中田透の二人が会話し出すと、もう完全にあぶ刑事(笑)。劇中では、何度もあぶ刑事のパロディっぽいセリフや演出がありましたね。ファースト・ターゲットで、透が伊達に対して「前よりもっとあぶなくなってきたな。もう人間じゃないな。だからゴリラっていうのか」とつぶやいていたが、思わず納得。なるほど、あぶないの上をいくのがゴリラ。このエピソードを見て、タイトルの意味がようやく理解できた(苦笑)。
さて、ゴリラと言えば、放映当時に2枚のサントラをリリースしていました。1枚目は、前期のOPとEDテーマ、初期のアクション路線の時期によく流れていたBGMを収録した10曲入りのCDと特殊車輌のデータを記載したミニブックつき。2枚目は、後期のOPテーマを含めた10曲と、ゴリラのメンバーが使用していた銃のデータを掲載したブックがついておりました。このサウンドトラックは、お気に入りでよく聴いていたのですが、引越し時に1枚目のCDがどこかに消えてしまって、今は、ジャケットだけが残っている状態に(涙)。あのさわやかな後期のOPテーマは、超電子バイオマンなどのヒーローものやアニメの作曲をされていた矢野立美さんが編曲を担当されていたんですね。5年ぐらい前にはじめて気づいたわ…(苦笑)。
サントラは、2枚発売されたが両方とも買いました。当時、買ったばかりのラジカセで、一番最初に聞いたテレビドラマのサントラがゴリラでした。OPは、初回のジャングルの映像とマッチした前期バージョンが好きだった。DESTINATIONもノリが良くて、リピートで聞いてましたなぁ。ぜひともどこかのチャンネルで再放送して欲しいものです。
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |