10年の時を経て遂げたエボリューション!!
さぁ私のぼやきを聞いておくれ!
日本で110番と言えば警察、119番と言えば消防や救急につながりますが、アメリカでは、それらを全てひっくるめて911番に統合されているそうです。911とは、アメリカの緊急通報用の電話番号で、911コールセンターのオペレーター達が通報者からの情報を受けると、その情報をコンピューターに入力し、警察、消防、救急、いずれの管轄になるのかを判断して、目的の部署に連絡するという仕組み。その911コールセンターの内側を描いた映画『ザ・コール 緊急通報指令室』を拝見。
ハル・ベリー演じるジョーダン・ターナーは、ロサンゼルス市警察の911のオペレーター。彼女は、自宅に不法侵入してきた男に狙われる若い女性の通報を受けて対応に当たったが、些細なミスを起こして女性を死なせてしまう。責任を感じてオペレーター職を辞めるが、その半年後、研修生の指導中にジョーダンは、何者かに拉致され、走行する車のトランクの中に閉じ込められた少女ケイシーからの通報を受けてしまう。半年前の失敗を思い浮かべて、一度は躊躇するジョーダンだったが、再びオペレートに挑み、ケイシーと緊迫したやりとりを始める・・・。
これまで数多くの警察アクションは見てきましたが、コールセンターを舞台にした映画はあまり見たことがないので、中々新鮮でした。トランクの中に閉じ込められ、携帯で連絡するケイシーと、何度もパニックに陥る彼女を勇気付けながら、適切な質問を繰り返して、車を見つけ出そうとするジョーダンの二人の切迫した掛け合いがスリリングで、ジョーダンがトランクの中にあるものを使ってテールランプを壊すように指示を出し、ケイシーがそこから腕を出して手を振るなど、その対処法のアイデアも面白かった。
ケイシーがトランクの中で行動を起こしている間、車を運転する男は、ボリュームを大にして音楽を聴いているのだが、ケイシーが携帯をかけている時の話し声とか、テールランプを壊す時の振動なんかでも気がつきそうなのに、気づかないところがやはり映画ですね(苦笑)。トランクの中になぜか白いペンキがあって、ケイシーがそれを壊れて空いたテールランプ部の穴から外に流し込んで道路にぶちまけて、場所を知らせようとするが、それが裏目に出て、新たな犠牲者が出てしまうなど予想外の展開が何度もありハラハラさせられた。
ケイシーを拉致した男がとんでもないクレイジー野郎で、後半から一気にホラーテイストになる展開も見応えがあったが、ジョーダンが指令室を抜け出して、単独で通報者を見つけようとする展開には、少し違和感を持った。まあ、指令室に閉じこもったままでは何の解決もできないのはわかるが、オチがこれまたホラー映画によくあるタイプで、なぜあのようになってしまうのかも少々疑問を感じたが(苦笑)、まあ全体的には良かったと思います。
コールセンターのオペレーターの役割は、通報者から情報を聞き出して、それを警察に知らせるところまでで、その後、通報者がどうなったのかは、オペレーターにはほとんど何も知らされない。そこは、劇中ジョーダンが思い悩んでいた部分でもありましたが、もし自分がその立場だったら、確かに辛いし、通報者のことをいつまでも気にしてしまうでしょうね。
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