10年の時を経て遂げたエボリューション!!
さぁ私のぼやきを聞いておくれ!
TBSチャンネルで放送中の「噂の刑事トミーとマツ」。地上波の再放送以来久しぶりに見ることができましたが、このシリーズ全106話あり、第一期(1979年10月17日→1981年3月25日・全65話)と第二期(1982年1月13日→1982年12月22日・全41話)と2シリーズあったんですね。当時、リアルタイムで見ていましたが、放送途中にブランクがあったことは全然覚えていなかった(汗)。当時は、意識しなかったが改めて見直すと、意外なゲスト俳優が多かったり、トミーが変身する時の「トミコ」の呼びかけにも様々なバージョンがあって面白いですね。それにしても人がバダバタとよくズッこけたり、何かにぶつかったり、騒がしい番組だったんですね(笑)。それらの効果音が大袈裟で派手なのが大映ドラマの味と言いますか。マツは、しょっちゅうこけていました。二期に入ると、ギャグテイストがさらに過激さを増し、トミーやマツの髪が逆立ったり、マツが街の真ん中で裸踊りしたり、巨大な出べそを出して大騒ぎしたり、エスカレートしていくのがよくわかります。
ゲストでよく見かけたのは、現在は、「笑点」の座布団持ちで御馴染みの山田隆夫や、ポール牧、保積ぺぺ。必殺仕事人の勇次役をやる前の中条きよしや、西部警察にもゲスト出演していた浅野ゆう子が出ていたのは驚きました。マツの親父役が仮面ライダーのおやっさんや、西部警察の南刑事でも御馴染みだった小林昭二さんだったことや、英語使いの刑事・片桐警部補でレギュラー出演していた清水章吾さんが途中、病気で欠場となり、その代役を刑事ドラマや時代劇の悪役でも御馴染みだった藤木敬士さんが演じていたことも意外でした。藤木さんの片桐警部補も見た目も演技も全然違和感がなくて、当時は、代わっていたなんて全く気づかなかったですね。
ところで、第一期でとくに印象に残ったエピソードと言えば・・・
「あぁ 煙突のてっぺんで」・・・同窓会に出席するため、青森から上京してきた一文無しの男・水上オサム(山田隆夫)は、一万円を貸していた友人・小柳ととあるレストランで待ち合わせをしていた。オサムは、その待ち時間に800円のエビフライを食べてしまい、約束の時間に小柳が来なかったため、お金を払えず、店から逃げ出してしまう。小柳を見つけ出したオサムは、お金を返すよう要求するが、それを断られたため逆上し、誤って小柳の彼女を2階の通路から転落させてしまう。そしてオサムは、またしても逃亡し・・・。
田舎から大都会にやってきたお人好しの男が羽目をはずして犯罪を重ねて、泥沼に追い込まれてゆくストーリーですが、オサム役を演じた山田隆夫さんと言えば、第2期でもこれとよく似た展開のエピソード(漁港の決闘! 決ったトミーの鯨突き)にも出演していました。無銭飲食、暴行、傷害容疑から殺人、そして拳銃強盗、銀行強盗と、どんどんエスカレートしていくオサムの犯罪がスリリングに描かれ、追い込まれたオサムが最後に煙突によじ登って自殺を図ろうとするシーンは圧巻。スタントマンが本当の煙突に登り、それを空撮で撮らえている映像が何気に凄いです。
「張り込み先の珍家族」・・・覆面の四人組のギャングが東都銀行富士見支店の銀行を襲撃し、支店長や警備員を撃ち殺して現金9500万円を奪う。ギャングの一人は、撃たれて死亡し、たまたまそばを通りかかったトミーが犯人達を追うが取り逃がしてしまう。富士見署捜査課は、管内に潜伏中の三人組の犯人を追って捜査を開始。ギャングの一人・秋山(南城竜也)が暴力団幹部・的場(八名信夫)の愛人の山本ナミと連絡を取り合う可能性がわかり、トミーとマツは、ナミの自宅を張り込むため、近所のマンションの部屋を借りる。しかし、そこには東大受験生がおり・・・
凶悪強盗犯を追って張り込みを始めるトミーとマツ。しかし、二人が張り込みのために借りたマンションの部屋の住人の中に、なんと強盗犯が紛れ込んでいるというとんでもな展開が。どことなく、ザ・ガードマン風味なサスペンスチック漂う話でした。張り込みのため、マツがマンションの住人を捻じ伏せて半ば強引に部屋を借りてしまうところは、時代を感じますね。一応トミーが土下座をしていましたが、今では、ちょっとやりにくい展開でしょうね。秋山を追跡中にトミーがクレーンで吊り上げられてしまうが、トミー役の国広富之氏が体当たりで演じていたのも印象に残った。
「トミマツの、ヤマトよ永遠に」・・・ムショ帰りの男達が店の前で暴れているのを目撃したトミーとマツは、男達を制止しようとするが、逆に襲われ酷い目に。そこへ青い瞳をした武道の達人の女性・ジェーン(ナンシー・チェイニー)があらわれ、男達を懲らしめた。ジェーンは、五年前、ニューヨークで三人組の強盗に襲われた時、自分を助けてくれたヤマトという男を探して日本にやってきた。トミーとマツは、彼女と共にヤマトを探し始める。一方、富士見署管内で怪盗108号が出現し、資産家の自宅が狙われ、警官が殺傷される事件が相次いでいた。さっそく富士見署捜査課は高級住宅街の張り込みを始める。
最近も何かとサムライを扱ったアメリカ映画が多いですが、そんな今とリンクするような内容です。侍の心を知るため、日本の道場に入門して修行をする女性ジェーン役は、当初森村婦警を演じていたナンシー・チェイニー。怪盗108号は、高所から飛び降りても平気、高い塀もひとっ飛びで乗り越えるわ、炎は吹くわで、変身トミー顔負けのスーパーマン的な動きを見せている。ヤマト=青柳役の峰岸徹は、「キャッ! 水曜日の切り裂き魔」では、ドラキュラ風味な切り裂き魔を演じており、トミーとマツでは、立て続けに特殊な犯人役を演じていた。
マツとジェーンが作家の根岸(梅津栄)と話すシーンで、根岸が「戦艦ヤマトのヤマトか、ウルトラマン80のヤマトか」というセリフを言っていたが、当時はちょうど宇宙戦艦ヤマトのアニメシリーズが放送されていた頃で、ヤマトブーム真っ只中。そして、トミマツの前のTBSの水曜夜7時に放送されていたウルトラマン80の主人公の名前が矢的猛(ヤマトタケシ)。サブタイトルの「ヤマトよ永遠に」には、その2つの意味が込められていたんですね。
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