10年の時を経て遂げたエボリューション!!
さぁ私のぼやきを聞いておくれ!
CGが発達してからと言うもの、自由自在に巨大生物を動かし、街をリアルに破壊するSF映画が増えてきた。「ジェラシックパーク」の恐竜を巨大化させたような動きで、いまいちゴジラと言う雰囲気ではなかったが、ハリウッド製「GODZILLA」を劇場で見た時のインパクトは物凄かったし、「クローバー・フィールド」の巨大生物の不気味な動きも中々迫力があった。そして、今回見た「パシフィック・リム」もこれぞ新世紀の怪獣映画と言う雰囲気が漂っていて、圧巻でした。
冒頭からサンフランシスコのゴールデンゲートが惜しみもなく無残に破壊され、不気味な巨大生命体が海上を蠢く。そこに現れるのが人類がテクノロジーを結集して開発した巨大兵器イェーガー。日本的に言うとやはり鉄人28号かはたまた、エヴァンゲリオン的な感じに見えるロボットですが、頭部に人が乗っています。一人では負担が大きいと言うことで、二人で操縦するようです。動かす前に「ドリフト」と呼ばれる二人の脳を同期させるプロセスが必要で、うまくシンクロしないと、映画の中のようにロボットが暴走してしまうことも。戦隊のロボは、五人の力を合わせないと合体できないとか、そういう細かい描写はあまり見られないですが、二人で力を合わせると言えば、やはり、ウルトラマンエース。イェーガーを操縦するローリーとマコを見ていたらふと思い出したが、しかし、エースでは、男女合体の変身ヒーローは弱々しいなどと当時評判が悪く、結局途中から北斗一人がエースになる設定に変わってしまった。きっとエースの中でも北斗と夕子がローリーとマコのような感じで戦っていたに違いない。そう、見ていると知らぬ間にこのように脳内に日本のいろんなヒーローやロボット達のことが駆け巡る。そんな映画です。
最近、海外ドラマでも東洋系の俳優をよく見かけるが、日本人は、まだまだ数少ない気がします。しかし、この映画には、二人の日本人が出演していた。途中からローリーの相棒になる森マコ役の人は、日本では、あまり見かけたことがないが、ハリウッド映画に数多く出演している女優らしいです。マコの子供時代を演じている子役も日本で活躍している日本の子役。地上波見ないのでよくわからないが、わりと人気があるようです。劇中では、巨大生物のことを怪獣と呼んでいるが、字幕版でも、モンスターとは言わず、「kaizyu」と日本語で呼ばせているところを見るに、この映画を監督した人は、相当な日本の特撮フリークであることは確かなようだ。ギレルモ・デル・トロってそう言えば「ブレイド2」も監督していたか。どことなく大和魂を感じさせてくれる人ですね。
ロボットのメカ描写は、トランスフォーマーを彷彿とさせるリアルさと徹底したディティールのこだわりがとにかく素晴らしい。破壊される街の風景も描写が細かいし、怪獣の無敵に近いパワフルな動きが恐怖や絶望感を生み出し、今まで味わったことのない緊迫感みなぎる映像になっていた。ただ、ハリウッド製のロボットは、リアルチック過ぎて、戦ってる最中にすぐ壊れてしまったり、それによって弱々しく見えてしまうのが難点なのだが、そういうのも含めて、やはりリアルな演出なんでしょうね。最近の戦隊のロボもずんぐりむっくりとした動きにくそうなデザインが多いが、イェーガーは、形が人っぽくて、肉付きはいいが、頭がやけに小さいのが気になった。どうせならバトルフィーバーロボぐらいのスマートさと、もっと力強さのあるフェイスが欲しかったところ。
ところでこの映画の吹替版は、思ってた以上に豪華な面子揃いで驚いた。環太平洋防衛軍の管制官官テンドー・チョイ役に千葉繁氏、Dr.ニュート・ゲイズラー役に古谷徹氏、Dr.ハーマン・ゴッドリーブ役に三ツ矢雄二氏、ハーク・ハンセンに池田秀一氏などなど、いずれも名立たるロボットアニメ作品に出演していた声優ばかり。そして、環太平洋防衛軍 (PPDC) の司令官スタッカー・ペントコスト役には、シュワちゃんの声で御馴染みの玄田哲章氏。玄田さんと言えば、アニメのトランスフォーマーシリーズでコンボイ司令官の声を担当されていたことでも有名ですね。
ローリーとマコがイェーガーに乗り込んで、ドリフトに失敗した後、二人とスタッカーが会話するシーンで、スタッカーが「私が黙っているからと言って、調子に乗るんじゃないぞ、ベケット!」と言う場面があるが、なぜだかコマンドーの最後の殴り合いのシーンを思い出してしまった。「地獄に堕ちろ、ベケット!」(笑)。
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