YOUTUBE東映チャンネルで配信されていた『超電子バイオマン』が最終回を迎え、何年ぶりかに最終決戦を見た。ダイナマンの放送の途中から放送時間が30分→25分(OP/ED合わせて正味20分)に短縮され、言うなれば戦隊シリーズはバイオマンから完全な20分戦隊になったわけだが、時間が短くなったせいもあるのか、新しい試みがたくさん詰め込まれ、メカ人間と人間との戦いが斬新かつシリアスに描かれた。バイオマンは、デザイン的にもヒーロー側・敵側ともとても魅力的で、今見ても十分通用するカッコ良さ。
しかし、この作品、やはりドクターマン=蔭山秀夫の物語なのだなあと改めて思った。一人の天才科学者が人間の心を捨て、自らの体を機械化して新帝国ギアを築き上げ、世界征服をもくろむ。人間の心が捨てきれず苦悩する姿、息子に似せたメカ人間を開発したり、本当の息子を見つけて動揺したり、人とメカの間で揺れ動くドクターマンの心情が繊細に描かれているのが大人目線で見てもやはり面白い。それまでの秘密結社とか宇宙からやってきた悪の異星人集団ではなく、一人の人間が地球を脅威に陥れると言う設定がものすごく斬新だった。そして、何よりもドクターマンを演じた幸田宗丸さんの圧倒的な演技力がなければ、この作品は成立しなかったであろうと思う。この人、1960年代から特撮作品に携わっていて、ウルトラシリーズを初めとした円谷作品にも多数出演しています。戦隊シリーズへの出演は、このバイオマンが最初で、後に五星戦隊ダイレンジャーにも出ていたそうだが、私にとっては、やはり仮面ライダースーパー1の玄海老師のイメージが強い。幸田宗丸さん辺りの世代の俳優さんって、こういう深みのある敵役をやらせたら、ぴたっとハマるんですよね。プロフェッサー・ギルやガイゼル総統、レイダーなどを演じた安藤三男さんも凄かったが。64歳の時にドクターマンを演じたようですが、やはり声にも演技にも迫力があって今見ても引き込まれる。
第三勢力が登場して、ヒーロー側と敵側を合わせた三つ巴戦というのが初期戦隊終盤の恒例の展開でありましたが、よりドラマ性を重視していたのがこのバイオマン。同じくメカやロボにこだわって作られた「大鉄人17」に科学者役で出演していた中丸忠雄さんをドクターマンのライバル役で登場させたのも憎い演出。ハカイダーを訪仏とさせるバイオハンター・シルバやロボットの苦悩を描いた「人造人間キカイダー」にもまつわる『良心回路』と言う言葉を使ったり、当時のメカもの特撮の集大成的な意味合いにおいても、バイオマンは、やはり大傑作であったと改めて認識し直した。
同じくメカもの特撮として現在放送中のゴーバスターズ。オリンピック年はメカもの戦隊と言うセオリーはまだ生きているようです(笑)。ロボットやコクピットなどのデザインは、なかなか良いし、ロボ戦の撮り方も今までにない感じで面白いが、やはりいかんせん敵側の迫力がいまいち。ドクターマンを凌駕する敵ボスが登場しないものか。ちなみにYOUTUBE東映チャンネルでは、バイオマンの後、サンバルカンが配信されているようです。これもメカものであり、動物をモチーフとしたデザインの戦隊でしたね。ゴーバスとは何かと共通項が多いが、と言うことはそろそろゴーバスにもイナズマギンガーのような第3勢力が登場となるのか???
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