10年の時を経て遂げたエボリューション!!
さぁ私のぼやきを聞いておくれ!
俳優の渡瀬恒彦さんの一周忌ということで、CSで様々な特集が組まれておりますが、渡瀬さんと言えば、自分的にはやはり自らカースタントもこなしていた「暴走パニック大激突」「狂った野獣」や「化石の荒野」などのアクション作品を押しますが、アクション以外にもいろんな代表作がありましたね。
「カ・イ・カ・ン...」の名フレーズや主題歌も話題になった薬師丸ひろ子主演の「セーラー服と機関銃」もその一つ。普通の女子高生・星泉がある日突然やくざの組長になり、四人の子分を連れてありえない日常を重ねていくストーリー。渡瀬さんは目高組の組員・佐久間を演じていたが、本物かと思うくらいの真に迫った演技に圧倒された。この間「セーラー服と機関銃」の完璧版を見直して、再び渡瀬さんのカッコ良さに痺れました。
1カット長回しの印象的なシーンが数多かったこの映画ですが、改めて見直して気になったのは、三國連太郎が演じた三大寺一が出てくる場面。三大寺は戦争時に両足を失い、松葉杖で歩いている。人を集めて変な宗教まがいなことをやったり、泉に対しては、十字架に磔にしたり、手術室に閉じ込めて解剖しようとしたり、貴婦人のようなドレスを着せたり、動くとダイナマイトが爆発する台の上に立たせてヤプールもびっくりな不思議な行動を繰り返していた。
この映画で有名になった「カ・イ・カ・ン」のセリフは、原作の小説にはなく、映画のオリジナルだったそうです。ではなぜ、泉が敵対するやくざの事務所に乗り込んでいって、機関銃をブッ放しながらあのセリフを呟いたのか?については、子供の頃に見た時は、あまり考えなかったのですが、今回見直して、三大寺の両足を失った話がきっかけになっていることがよくわかりました。三大寺は自分の仕掛けた地雷を踏み、三日間その上に立ち続けて、死の恐怖と肉体の旋律が入り混じった「快感」を味わったことを泉に話す。快感とは、死と隣り合わせもの。泉が「カ・イ・カ・ン」と言ったのは、三大寺と同じような経験をして死ぬような思いをしたことと、その経験によって覚醒し、機関銃をブッ放したあの瞬間こそが、少女から大人へ変わった瞬間だったのではないかと、今更ながら勝手にそう解釈しました(苦笑)。
その機関銃をブッ放した場面で、泉が鼻の協から血を流すところが克明に映し出されていたが、あれは割れた瓶の破片が顔に当たって本当にケガをしていたそうで、それに気づいた佐久間役の渡瀬さんが泉役の薬師丸ひろ子を庇っている姿が印象的でした。あれもし目にでも当たっていたら、シャレにならないことになっていたかもしれませんが、こういうアクシデントも功を奏して、映画は大ヒットしたわけですね。そう言えば、最近この映画の新作が公開されたそうですが、まだ見ていません。10年ぐらい前に長澤まさみ主演のテレビドラマ版もあったけど、今度の映画はどうなのでしょうね・・・。
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