スカパーの海外ドラマや日本の懐かしいドラマを見るのに忙しくて、地上波ドラマは、今年全くと言っていい程見ていなかったのですが、今期は、相棒の第10シーズンと、ちらほら噂を聞いて話題になっているものを2本ほど見ています。
まずは、1983年に高倉健主演で大ヒットした映画『南極物語』のリメイク版『南極大陸』。
地質学者の潮田暁を含めた越冬隊が悪天候のために越冬を断念せざるを得なくなり、無人の昭和基地に樺太犬15頭を置き去りにして日本に戻り、一年後にまた南極に向かって、兄弟犬のタロとジロと再会すると言うのが南極物語のおおまかなストーリーだった。『炎のランナー』や『ブレードランナー』のテーマを作曲したヴァンゲリスの曲が流れる中、潮田達がタロとジロと奇跡的な再会を果たす場面が物凄く感動的でとても印象に残っている。今回、テレビシリーズでの復活ということで、映画では描かれなかった越冬隊のエピソードや様々な人間模様が見られるものと期待しているが、まず、オープニングや音楽などドラマの演出が以前このドラマの枠で放送されていた『JIN』とやたら酷似しているところが気になった。とくに悪い感じはしないのだが、キャスト陣にもJINに出演していた綾瀬はるかが出ていたり、それを意識させる要素が多い。1話目は、NHKのプロジェクトX風のドキュメンタリータッチのようであり、昔の石原裕次郎の映画を想起させるような雰囲気もあったが、いかんせん昭和のドラマなのに主役だけが平成からタイムスリップしてきたように見え、一人だけ浮いてる感じがした。2話は、南極に向かう観測船が海面に張り付く氷にぶつかって、船内が揺さぶられて大パニックに。ハリウッドのパニック映画を彷彿とさせるアクション演出がてんこもりだった。キャスト陣は、南極観測隊の隊長を演じる柴田恭兵さんをはじめ、中々豪華な面々が揃っているし、とりあえず最後まで見ようと思うが、しかしあの茶髪だけは、ほんと気になる(苦笑)。
もう一つは、九州の刑務所から脱走した4人の若者の逃走劇が描かれる『ランナウェイ〜愛する君のために』。北九州からスタートし、2話は、四国、3話目は、大阪が舞台になるようだが、実際に各地方でロケされているようです。1話ごとに舞台が変わるなんて、最近では珍しく壮大な感じのこのドラマ。なんとなく西部警察の地方ロケを思い出してしまったが、なんとその団長こと渡哲也さんが自転車駐輪場の管理員を勤める元警視庁の刑事役で出演している。4人の逃亡犯達が警察の追っ手を逃れながらいろんな難関を乗り越え、目的地の東京を目指すと共に、それぞれの過去が明らかになっていく。1話目は、九州の町並みを背景に入り組んだ住宅や繁華街の中を走り回ったり、パトカーを盗んで、深夜の道路をカーチェイスしたり、最近のドラマにしては、中々動きが激しくスリリングな内容になっていた。4人の若者だけでなく、彼らが逃走途中に逃げ込んだ住宅で虐待されていた女の子と出会い、その女の子も逃亡に加わってしまう意外性もあって面白く感じた。海外ドラマを見ている者の視点では、やはり、プリズンプレイクを意識しているっぽいところや、昔の逃亡者の雰囲気も感じられ、いろんな見方で楽しめます。
>≧地質学者の潮田暁を含めた越冬隊が悪天候のために越冬を断念せざるを得なくなり、無人の昭和基地に樺太犬15頭を置き去りにして日本に戻り、一年後にまた南極に向かって、兄弟犬のタロとジロと再会すると言うのが南極物語のおおまかなストーリーだったが、『炎のランナー』や『ブレードランナー』のテーマを作曲したヴァンゲリスの曲が流れる中、潮田達がタロとジロと奇跡的な再会を果たす場面が物凄く感動的でとても印象に残っている。
>「南極物語」はレンタルで見ましたけど、ヴァンゲリスの重厚感あふれる音楽をバックに南極の光景を描いたオープニングと「大都会PARTⅡ」の吉岡課長こと小池朝雄さんのナレーションで昭和基地を紹介するところから始まるんですよね。渡瀬恒彦さん(第1・3次越冬隊員の越智健二郎)と高倉健さん(潮田暁越冬隊員)が犬ぞりを引き連れて進むシーンでは「南極の夜明け?とペンギンたちを背景に犬ぞりが進む」映像にも息をのみますが、健さんが南極を歩いたり氷の割れる音を気にする犬のジャックに渡瀬さんが話しかける場面や吹雪の中を進む犬ぞりが進み、潮田たちが吹雪の中テントを立てたり逃げ出そうとする犬のゴロを追う越智・ボツンヌーテンからの帰路に就く潮田たちが遭難寸前になる状況の映像を見ると過酷な撮影だったのではないのか?と見ていて感じました。
「昭和基地に置き去りにされた19頭の樺太犬の物語」は小学生のころに本で読んだのを覚えていますが、「えさを与え、子犬を手に昭和基地を去る潮田と越智に向かって犬たちがほえる…」のシーンや「他の犬はどうしたんですか?」と2匹の犬を連れてきた越冬隊員を詰問する潮田・「犬に首輪さえつけなかったら…」と自分を責める越智・吹雪の中に取り残された犬たちの描写と「第2次越冬を打ち切る船内放送」を聞いた越智と潮田→上司に『犬を見捨てるんですか!?』と問う越智と毒薬を取り出す潮田のシーンや吹雪吹き荒れる昭和基地に取り残された犬たちを見ると、「越冬隊員に苦渋の決断」だったことを印象付けているように感じました。
また、第2次越冬隊の犬係から「全国の樺太犬のファンが昭和基地の犬小屋に飾ってほしい」と作ったプレゼントを海に捨てる越智の場面に続く取り残された犬たちが一斉に吠え出す→そのうちの一頭であるアンコという犬が鎖を切って逃げ出し,他の犬たちも首輪抜けしていく…→人間を求め犬たちが昭和基地の中を走り回るシーンや犬たちの描写を見ると「取り残された犬たちは極冠の地・南極でどう生き延びたか?」を強調していましたが、夏目雅子さん演じる婚約者・慶子と共に祇園祭を見物する越智が見物人が連れてきた犬を見てタロたちのことを思い出すシーンや「喫茶店のマスターが見せた週刊誌の記事を見て潮田が贖罪の旅に出たことを知る…」と「各地を回り、樺太犬を提供した人たちに犬を手渡す潮田」や「どうしてリキを捨ててきたの!?」と少女に批難される潮田のシーンを見ると、「犬を置き去りにしたものの苦悩と償い」が伝わるように思えました。
その他の出演者では「ザ・ハングマン1」の初代ゴッドや「私鉄沿線97分署」で榊検視官の父親を演じた山村聰さん(観測船宗谷の岩切船長)と「ザ・ハングマンⅣ」でハングマンの一人・クレイを演じた佐藤浩市さん(越智と潮田に代わって犬係を担当する第2次越冬隊員の戸田)が出ていましたが、「越智と慶子が立ち寄る喫茶店」の親父役でワンシーン登場する岸田森さんを見ると「これが岸田森の最期の演技か・・・」と感じ「リキの飼い主の少女」を演じる荻野目慶子さんの演技も「一度は犬を飼わないと誓ったが、2匹目のリキを引き取ろうと潮田に会いに行く」と言う姿に胸を打たれました。
フジテレビの最盛期を象徴する作品でしたよね。フジテレビで大キャンペーンをはって、ひょうきん族をはじめいろんな番組でこの映画の宣伝をしつこくやっていたのが記憶にあります。撮影に3年かけたそうですから、出演者やスタッフも然ることながら、犬達にとっても相当過酷な撮影だったに違いないですね。今やったらまた動物虐待などとクレームをつけられて問題になるんでしょうかね(苦笑)。
>「各地を回り、樺太犬を提供した人たちに犬を手渡す潮田」や「どうしてリキを捨ててきたの!?」と少女に批難される潮田のシーンを見ると、「犬を置き去りにしたものの苦悩と償い」が伝わるように思えました。
その少女役が荻野目慶子さんでしたよね。越智の婚約者役で夏目雅子も出ていましたね。
>「越智と慶子が立ち寄る喫茶店」の親父役でワンシーン登場する岸田森さんを見ると「これが岸田森の最期の演技か・・・」と感じ、
岸田さんは「太陽戦隊サンバルカン」の嵐山長官役が遺作だと10年前ぐらいまでずっと思い込んでいましたが、この映画が遺作でしたね。もっといろんな作品で見たかったですね。
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