10年の時を経て遂げたエボリューション!!
さぁ私のぼやきを聞いておくれ!
「人体の内部を冒険する」と聞いて思い起こす映画と言えば、「ミクロの決死圏」。物質をミクロ化する技術を研究していた東側の科学者が敵側の襲撃を受けて脳内出血を起こし、科学者の命を救うために医療チームを乗せた潜航艇をミクロ化して体内に注入し、脳の内部から治療するというストーリー。子供の頃に日曜洋画劇場などでよく見たが、潜航艇が人の血管の中を進んで宇宙空間のように人体を駆け巡る映像はロマンチックでしたね。
でも個人的に根強く印象に残っているのはこの映画の21年後の1987年に公開された「インナースペース」という作品。監督は「グレムリン」のジョー・ダンテ、製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ。この映画はレンタルビデオで見たのが最初だったが、スピルバーグが関わっている映画と聞いて、期待を膨らませたが、もちろん期待以上に面白く何度も見返した記憶がありますね。
アメリカ空軍のパイロット・タック・ペンドルトンを特殊潜行艇に乗り込ませてミクロ化し、ウサギの体内に注入する実験がある研究施設で行われようとしていたが、潜行艇がミクロ化した直後に研究施設が産業スパイに襲撃される。潜行艇の入った注射器を持った研究員が逃走し、追いつめられた末、スーパーの店員のジャックの尻に潜行艇を注入してしまう。タックはジャックと協力して産業スパイが研究施設から強奪したマイクロチップを取り戻そうとする。
潜航艇で人体を巡るという部分においては「ミクロ決死圏」と同じだが、この映画ではミクロ化した潜航艇は誤ってジャックという青年の体内に入りこんでしまい、潜行艇を操作するタックがジャックをコントロールして産業スパイから重要なマイクロチップを取り戻し、ジャックの体内から脱出するまでを描いている。
この映画で一番インパクトがあったのはタックが潜航艇の機能を使ってジャックの顔を変えてしまうシーン。顔を左右に高速にプルプル振りながらギャグアニメのように変顔を作るジャックが面白かった。この高速で顔を振る特撮は当時の流行だったのか、日本の特撮でも超獣戦隊ライブマンのドクター・ケンプが美獣ケンプに変身するシーンで使われていたし、1990年の「ジェイコブス・ラダー」でも足のない男が高速で顔を振る恐怖映像があった。
ジャックの胃の中でのタックの潜航艇と敵のアイゴーとの対決シーンは初見時、胃酸に浸かったアイゴーが一瞬で骨だけになってしまう映像に驚いた記憶があるが、今見るとインディジョーンズやグーニーズの一場面のようにも見え、いかにも80年代的な映像に見えましたね。
当然ながら映画に出てくる俳優は懐かしい人ばかり。ナイトライダーにゲスト出演していたヘンリー・ギブソンもいたし、タック役のデニス・クエイドは最近あまり見かけないが、今も映画に出続けているみたい。タックの恋人のリディアを演じたメグ・ライアンとデニス・クエイドはこの映画の共演がきっかけで結婚したが、後に離婚したそうな。ジャックを演じたコメディアンのマーティン・ショートは最近はアニメ声優として活躍しているようです。
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