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10年の時を経て遂げたエボリューション!! さぁ私のぼやきを聞いておくれ!
2024/11月

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往年のサスペンススリラー系の名作が最近ドラマシリーズになって復活しているのをよく見かけます。例えば「ハンニバル」は、ジョディ・フォスターとアンソニー・ホプキンスが主演して大ヒットした「羊たちの沈黙」を初めとしたハンニバル・レクター博士のシリーズのリメイクであるし、1960年代後半に公開されたロマン・ポランスキー監督の「ローズマリーの赤ちゃん」も最近「ローズマリーの赤ちゃん~パリの悪夢~」と言うタイトルでドラマ化された。この流れだと、「エクソシスト」とか「オーメン」辺りもいずれまた映画かドラマで復活しそうな気配を感じますが、サスペンススリラーで忘れてはいけないのは、やはり「サスペンス映画の神様」と呼ばれたアルフレッド・ヒッチコックの「サイコ」


サイコは、1960年に公開されたヒッチコックの代表作。モーテルの管理人ノーマン・ベイツの異常な殺人を描いたモノクロ映画で、シャワーを浴びる女性が襲われる衝撃的な殺人シーンや、バーナード・ハーマンが作曲した音楽は、日本のテレビ番組でも多用されあまりにも有名。解離性同一性障害=多重人格やマザー・コンプレックスなど、当時としては、斬新かつ画期的な異常心理が表現され、ノーマンが別人格を露にするラストシーンも強烈なインパクトを残した。以後、シリーズ化され、第4作まで製作されました。


昔はこういうサスペンススリラー系の映画も地上波のゴールデン帯でよく放送されていましたね。私は、日曜洋画劇場で放送された「サイコ2」を先に見てしまったため、「サイコ」と言われると、どうしてもこの「サイコ2」のほうを思い浮かべてしまいます。「サイコ2」は、1983年の公開ですが、その当時すでにヒッチコックは他界していたため、別の監督によって製作されています。ノーマン・ベイツの吹替えを担当したのは、天知茂の「明智小五郎」シリーズをはじめ、当時サスペンスドラマの常連だった松橋登。松橋氏自身も明智小五郎シリーズで特異な犯罪者を演じていましたが、そのせいかノーマンの声を演じても全く違和感かなく、ぴったりマッチしていたのが印象的でしたね。ちなみに、この映画に登場したジョン・ハント保安官役のヒュー・ギリンという俳優は、ナイトライダーでもワルの保安官役を演じたり、当時は、エアーウルフなどいろんな作品で見かけましたね。




あまりにも鮮烈なインパクトを残したサイコですが、これも最近テレビドラマでリメイクされております。リメイクと言っても、この映画の前段とも言うべき内容で、タイトルは、「サイコ前章 ベイツ・モーテル(BATES MOTEL)」。映画では、白骨化した母親の遺体と暮らすノーマンの異常心理が描写されていましたが、このテレビドラマでは、生前の若い頃の母親と少年時代のノーマンを軸に物語が展開します。ノーマンが異常な殺人者になっていく過程が丹念に描かれ、時代設定も現代に置き換えられており、とても新鮮。ノーマンの青春物語の側面もあり、母親ノーマとの関係や、ノーマンの恋愛模様も描かれています。



企画・製作総指揮は、「刑事ナッシュブリッジス」や、「LOST」の製作総指揮を担当したことでも知られるカールトン・キューズ。ノーマン役のフレディ・ハイモアは、「チャーリーとチョコレート工場」に出演したイギリスの若手俳優ですが、映画でノーマン役を演じたアンソニー・パーキンスの雰囲気や面影があって、まさにハマリ役。演技力も抜群で、とくにノーマンが急に人が変わったように怒り出す時の演技が絶品。ノーマンの母親ノーマ役のヴェラ・ファーミガは、個人的に他では、あまり見かけたことがない女優ですが、魅惑的な美貌とわがままで凄まじい執着心を兼ね揃えた母親のイメージにぴったりで、吹替えの演技も合わさって、中々見応えのある演技を見せてくれます。


ノーマンの同級生で彼に恋心を寄せるエマ役のオリヴィア・クックも良いですね。エマは、のう胞繊維症を患っていて、常に鼻にチューブを差した状態で動き回るのですが、その姿が可愛らしい。ノーマンが同級生のブラッドリーに夢中になっていることを知りつつも、常に彼のそばにい続けようとするエマの姿が健気です。しかし、最終話では、ノーマンのそんな態度に嫌気を差して、とうとう彼から離れてしまいます。そして、ノーマンが執着するブラッドリー役は、「トランスフォーマー/ロストエイジ」でテッサ役で出演していたニコラ・ペルツが演じています。


マックス・シエリオットがノーマンの異母兄弟で兄に当たるディラン役を演じていますが、ノーマンには、こんな頼りがいのある良い兄貴がいたんですね。ノーマンだけでなく、ノーマの危機を救うために保安官と銃撃戦を繰り広げたり、仲間のために人殺しまでやってしまう。ドラマの中ではちょっとしたヒーロー的な存在。他に印象的な人物と言えば、後半に登場していたジェイク・アバナシーですね。こいつもノーマを危機に陥れようとする人物ですが、吹替えの声が山路和弘氏だったこともあり、ワルだけどカッコいい雰囲気があった。




このドラマ、シーズン1は全10話で終了しましたが、本国では、すでにシーズン3まで放送済み。来月からシーズン4がスタートする予定だそうです。日本では、シーズン2に当たる「ベイツ・モーテル~サイコキラーの覚醒~」がWOWOWで放送中。ハンニバルは、どうやらシーズン3(全39話)で終了してしまったみたいですが、ベイツモーテルはまだまだ続きそうですね。「ザ・シールド ルール無用の警察バッジ」でカーティス・レマンスキー刑事を演じたケネス・ジョンソンがシーズン2から登場しているので、それも含め、今後のノーマンの変貌ぶりが気になります。



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