先日放送された「ルパン三世」テレビスペシャル「血の刻印~永遠のmermaid~」からルパンと次元を除いたレギュラーメンバーの声優が一新されましたが、思っていたほど浮いた感じはなく、石川五ェ門、峰不二子、銭形警部それぞれ前任者の声を意識して、程よくハマっていました。声だけ聞いているとファーストシーズンのルパンの雰囲気があった。とくに五ェ門は、前任の井上真樹夫氏と遜色がなく、全く違和感なし。不二子は、画も声も初期ルパンのような雰囲気があった。銭形警部は、前任の納谷悟朗氏の雰囲気を醸し出しつつも山寺宏一氏独特の声色も出ていて、まさに新生・銭形といった印象。ただ、ルパンと銭形の掛け合いは、いまいち勢いが乏しいというか、よそよそしい感じが。前任の山田×納谷コンビのような時折ギャグを詰め込んだ言い回しやテンポの良さが足りない。今後のシリーズでは、もっと息の合った面白いやり取りが見てみたい。画は、ジブリ風、内容は、初期のような雰囲気があり、栗田ルパンの渋味がさらに増していたと思う。
冒頭に登場したルパンに「人魚の鱗」を盗むよう依頼する富豪のおばさんの声、どこかで聞いたことがある声だと思ったら、やはり野沢雅子氏であった。野沢さんと言えば、セカンドシリーズの「悪い奴ほど大悪党」のチコ少年の声も担当されていましたよね。クライマックスは、超人ハルク的なぶっ飛び展開で、流血やグロさも初期風味といった印象。ならば、ルパンもスーパーマン的なぶっ飛んだ活躍をして欲しかったが、今回は、ちょっと地味めな感じだったかな・・・。
テレビスペシャルのOPテーマと言えば、バイバイ・リバティー・危機一発!から使用されている「ルパン三世のテーマ'89」のイメージが強いですが、今回の新作のアレンジも良かった。そのOPテーマが流れる中展開されたルパン達の空中大逃走の場面にフジテレビの社屋と思わしきイメージのビルが・・・。お台場の町並みが美しく描かれていたが、社会風刺とでも言いましょうか、今年は色々と話題になりましたからね(苦笑)。エンディングは、セカンドシーズン中期に流れていた「ラヴ・スコール」のアレンジバージョン。声優陣が若返って原点回帰な演出も垣間見えた新作。はたして来年は、テレビシリーズ復活となるか否や。
日テレプラスで放送中の『刑事貴族』風間編も終盤に差し掛かってまいりました。『太陽にほえろ!』を彷彿とさせる雰囲気や演出も見受けられる風間編ですが、武田刑事(「357の男」)や宮本課長(「宮本課長の災難」)、そして「同級生」では、泉と安永亜衣氏演じる相沢より子が恋人関係になるなど、脇の刑事達にスポットを当てた印象的なエピソードもたくさんありました。相沢より子は、このエピソード以後も何度か登場したが、岩田刑事と同じく悲劇的な結末を迎える辺りの展開は、ちょっと残念だったかな。最終回で泉が結婚式を挙げるものと勝手に思い込んでいただけに(汗)。
刑事貴族では、各シリーズごとに地方ロケが行われていましたが、牧編では、神戸ロケ(「その時、標的は笑った」)。本城編では、鹿児島(「危険な二人旅」)や名古屋(「長良川大追跡」)ロケ。風間編では、長野ロケ(「白馬で大滑降」)があった。犯人を追って白馬のスキー場にやってきた泉と岩田がゲレンデで華麗な滑りを見せていましたが、スキー場の話と言えば、太陽にほえろ!ドッグ編の「ドック刑事、雪山に舞う」「ドック刑事、雪山に斗う」を思い出します。こちらも長野の志賀高原でロケされたエピソードだったが、ドッグが犯人を追う時に見せるスピーディーな滑りは迫力があったなあ…。ところで「白馬で大滑降」で意外な活躍を見せていたのが、この話までは、あくまでサブ的な存在だった南刑事。刑事貴族2後期のOPで初めてクレジットされ、劇中でレギュラー級の活躍を見せていた南ですが、この長野ロケの話では、泉とのセリフのやり取りも多く、スキー場で滑稽な滑りを披露していたのも印象的でした。
風間編には、意外なゲスト陣も多かった。「357の男」には、『超人機メタルダー』で主人公の剣流星を演じた妹尾洸氏が金髪ロン毛姿で登場し、拾った拳銃で武田刑事を狙う犯人役を熱演していた。「刑事たちの忙しい夜」には、『仮面ライダー』の死神博士役など、ヒーローものの悪役を数多く演じられていた天本英世氏。拳銃強盗の犯人がたてこもるスナックの客の一人として登場していました。「血を吸う薔薇の犯罪」には、『星雲仮面マシンマン』の主人公・高瀬健を演じた佐久田修氏。岩田とタクのコンビをアリバイ工作に利用する殺人犯役で出演していた。
さて、来年の1月からは、本城編に当たる『刑事貴族2』がいよいよスタート。日テレプラスでは、5年ぶりの再放送です。今年第10シーズンめを迎えた『相棒』。当初は、水谷さん、寺脇さん、高樹沙耶さんの刑事貴族のキャスト陣がそろったことでも話題を集めたが、今シーズンの1話目で、杉下右京の元妻で小料理屋の女将役を演じていた高樹沙耶(現:益戸育江)さんが突然降板してしまった。刑事貴族臭が消えてしまった相棒ですが、右京さんの何気ない動きの中に、一瞬本城が垣間見える時がある…のは、私だけであろうか…(笑)。
来年生誕30周年を迎える『宇宙刑事ギャバン』。年明けに公開されるゴーカイジャーの新しい映画『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』(2012年1月21日より公開予定)にて、あのギャバンが復活します。さらに、来年スタートする36番目の新戦隊にもギャバンが登場すると言う噂が。新戦隊は、その名も『特命戦隊ゴーバスターズ』。ある世代の方々ならば、もうお気づきでしょうが、1980年代にヒットしたビル・マーレーやらダン・エイクロイドがゴーストを退治していたあの映画のタイトルをもじっていることは、一目瞭然です。そして、ついに『○○レンジャー』と言うこれまで定番だった「ジャー」づけのネームから卒業?し、「○○ズ」の形に。これまでにはないネーミングで新鮮な印象を受けますが、その反面、ここ数年ずっと頭の文字が「ゴ」から始まる名前ばかりなのがちょっとくどいかなあとも…(苦笑〉。
それはさておき、このゴーバスターズに宇宙刑事がどのように関わるのかが気になりますが、なんとギャバンがゴーバスターズの司令官となり、自らも敵と戦ったりするんだとか。うーん、なんとも信じがたい話ですが、つまり、来年の新戦隊は、宇宙刑事とのコラボ作品になるようですね。ゴーカイジャーに続いて、引き続き東映のお祭り企画が継続される模様です。宇宙刑事は、『宇宙刑事シャイダー』までの3作品で綺麗に完結しているし、今復活してもお茶らけたCGだらけになって当時のハードで巧みなアクション演出や独特の幻想的な世界観などの醍醐味が薄れてしまうのではないかという憂いもあるのですが…今回は、あくまでコラボということなので良いとして…。
宇宙刑事と言えば、当時物凄く斬新であったメタリックなスーツのカッコ良さや生身でのアクロバティックなアクション、異次元空間での戦闘シーン、レーザーブレードでの最終対決、渡辺宙明さん作曲の熱い主題歌や緊迫感あふれる挿入歌、BGMなどなど魅力を挙げ出したら切りがないほどありますが、ギャバン、シャリバン、シャイダーと3作見事に色分けされた不気味でシュールな世界観も圧巻でした。そして、敵勢力の魅力。とくにシャイダーに毎回登場していたフーマの不思議獣のデザインは、ユニークだった。不思議獣は、フーマのボス・大帝王クビライの口から生まれた卵が儀式によって孵化し誕生する。南国風のまさに摩訶不思議なデザイン。前作のシャリバンに変形ギミックが取り入れられて、別の形態に変化する魔界獣も多く見られた。その斬新なギミックに何度も驚かされたが、シャイダーの不思議獣も同じくギミックで表情の変化や恐怖感を演出していました。一見かわいく見える怪物が変形して恐ろしい形態に早代わり。不思議獣の人間体も奇怪で不思議な魅力を醸し出していました。
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■不思議獣ペトペト…『踊れペトペト!』に登場した不思議獣。通常は、狼のような顔つきだが口を大きく開けると第2の不気味な顔が露になる。肩にでかい目玉がついているのが面白い。動物達を凶暴化させるため、西洋のチンドン屋になりすましたペトペトの人間体がトランペットを吹きながら町を陽気に不気味に練り歩く。天使のおっさんってどこかで聞いたことのあるフレーズだが、こちらに出てくるのは、まさに闇の天使。不気味なペトペトのデザインも然ることながら、人間体ペトペトのとびきり強烈な存在感が圧巻だった。不思議時空では、巨大化してガスを吹きかけシャイダーを苦しめた。
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■不思議獣グチグチ…『吼えろビームガン』に登場した不思議獣。通常の顔は、憎めない感じだが、唇の形をした大きな顔がべろんとめくれると、第2の恐ろしい顔が露になる。冒頭でいきなりシャイダーと一戦を交えるが、人間体のグチ将軍のままでも戦闘能力が高いため、やや出番が少ない(苦笑)。若者達の不満や怒りを奮発させて、彼らを戦争に駆り立てようとするグチ将軍。グチ将軍のまま不思議時空に突入し、シャイダーと対決するがグチ将軍強すぎる(笑)。しかし、最終的にグチグチの姿になり、シャイダーと激戦を繰り広げる。強烈なインパクトのあるこの顔を一目見れば、きっとトラウマになるほど記憶に残るに違いありません。実際当時夢に出てきてうなされた経験あり(獏)。
以前書き込んだ特撮ヒーローの地方ロケについてですが、情報を加えて再アップ致します。ご協力して頂きました方々ありがとうございました。※オレンジ色が追加分です。
【北海道】
『仮面ライダー』「怪人カニバブラー北海道に現わる」「空飛ぶ怪人ムササビードル」
【福島】
『大戦隊ゴーグルファイブ』「猪苗代の黄金魔剣」
『超獣戦隊ライブマン』「鶴ヶ城の8大 頭脳獣!」「会津の巨大カブト虫! 」
『仮面ライダー555』 劇場版「パラダイスロスト」★
【茨城】
『巨獣特捜ジャスピオン』「グェッ! ツクバの巨大ガマ大行進」【つくば博】
【千葉】
映画『ガメラ対深海怪獣ジグラ』【鴨川シーワールド】★
『仮面ライダー』「怪人ナマズギラーの電気地獄」【行川アイランド】★
『アイアンキング』「カマギュラス殺人ガスを狙う」【行川アイランド】★
『キカイダー01』「恐怖!青鬼島で卵が笑う!!」
「爆発 ジャイアントデビルの秘密」【行川アイランド】★
『ウルトラマン80』「魔の怪獣島へ飛べ!!(前・後編)」【行川アイランド】★
『宇宙刑事シャイダー』「人魚が呼ぶ海の怪」【行川アイランド】★
『超新星フラッシュマン』「SOS! 不死鳥!」【行川アイランド】★
『五星戦隊ダイレンジャー』 劇場版【行川アイランド】★
【静岡】
『人造人間キカイダー』「バイオレットサザエ悪魔の恋」
「赤子を泣かすアカオニオコゼ」
「カイメングリーンは三度甦る」
『電子戦隊デンジマン』「熱海の陰謀を砕け」
『太陽戦隊サンバルカン』「浜名湖のネッシー」 劇場版
『光戦隊マスクマン』「鍾乳洞の少年怪獣」
『宇宙刑事ギャバン』「乙姫様コンテスト ハチャメチャ竜宮城」
『宇宙刑事シャリバン』「新型二階だてバスのふしぎな異次元旅行」
「夏だ!海だ!伊豆半島を襲うメテオの群」
【山梨】
『仮面ライダーV3』「恐怖のキャンプ 地底運河のなぞ!」 【富士急ハイランド】★
『仮面ライダー555』「彷徨える魂」【富士急ハイランド】★
【石川】
『バトルフィーバーJ』「恐竜半島へ突撃!!」
【長野】
『鳥人戦隊ジェットマン』「歩く食欲!アリ人間」
【大阪】
『ウルトラマン』「怪獣殿下(前・後篇)」
映画『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』★
映画『ガメラ対大魔獣ジャイガー』【大阪万博】★
『ウルトラマンダイナ』「滅び微笑(前・後編)」
『仮面ライダー』「ドクガンダー大阪城の対決!」
『仮面ライダーW』「悪夢なH/王子様は誰だ?」
【和歌山】
『仮面ライダー』「吸血モスキラス対二人ライダー」「ダブルライダー 倒せ! シオマネキング」
『キカイダー01』「南紀の死斗!!ザダム超能力発揮」「秘境の激戦!!ザダムの地獄の罠」
【兵庫】
『仮面ライダー』「「怪人アブゴメス 六甲山大ついせき!」★
【四国】
『仮面ライダーV3』「デストロン四国占領作戦」「生きていたダブルライダー」
劇場版『仮面ライダーV3対 デストロン怪人』
『秘密戦隊ゴレンジャー』「真赤な南国!謎のゴールド作戦」★
「青い瀬戸内海!浮かぶ秘密要塞島」★
劇場版「秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン」
『高速戦隊ターボレンジャー』「歩け!四国の子」
『特警ウインスペクター』「瀬戸大橋の怪人I・Ⅱ」
【鳥取】
『人造人間キカイダー』「ジローの死を呼ぶタコヤマブキ」「アオデンキウナギ魔の腕が光る」
『秘密戦隊ゴレンジャー』「黒い大逆転!鳥取砂丘の攻防戦」★
【山口】
『キカイダー01』「イチロー危機!ハカイダー合体!!」
「大犯罪組織シャドウの出現の怪!!」
「大首領ビッグシャドウの怪奇!?」
【九州】
『科学戦隊ダイナマン』「阿蘇山大爆発作戦」「恐怖! 九州大地震」「追え!天草の太陽」
『電撃戦隊チェンジマン』「長崎の謎の幽霊船」「アハメスの挑戦!」【長崎オランダ村】★
『地球戦隊ファイブマン』「九州 だョン」
『特救指令ソルブレイン』「ニューヒーロー九州へ!」★
『ウルトラマンティガ』「地の鮫」【グリーンランド】★
『仮面ライダー555』「旅の始まり」「ベルトの力」【グリーンランド】★
CSで放送されていた最新の海外ドラマがこの秋軒並み最終回を迎えました。まずは、『NIKITA / ニキータ 』。21年前に公開されたリュック・ベッソン監督のオリジナルのストーリーから3年後の世界が描かれたテレビシリーズは、マギーQのクールな魅力とニキータの妹分に当たるアレックスの活躍が印象的だった。【ここからはネタバレなので注意】シリーズ前半は、ニキータが孤独にディヴィジョンに立ち向かっていく姿が勇ましく、ディヴィジョン内にいる訓練生のアレックスと端末で連絡を取り合って、内部の情報を掴んで、うまい具合にディヴィジョンが仕掛けた罠をスリリングに切り抜けていくところが面白かった。シリーズ後半からは、ニキータと敵対していたマイケルがニキータの味方になってしまって、やや拍子抜けな印象。やはり、ニキータには、最後まで孤独に戦ってもらいたかったが、共に恋人や家族をディヴィジョンに殺されたもの同士、何か惹かれるものがあったのでしょう。ニキータが味方を増やしてより力強くなっていくのに相対して、共にスパイデビューを果たした同期の訓練生を次々と失ったアレックスのほうは、最終回に近づくに連れ、昔のニキータのような孤独さが増していき、「こっちのほうが本物のニキータやん!(笑)」と思わず突っ込んでしまうぐらいの存在感があった。アマンダだけは、最後までディヴィジョンへの忠誠を守りきるかと思いきや、「おまえも裏切るんかい!(笑)」。ニキータと通じていることを知り、アレックスの首に仕込まれた殺人チップを起動させるも、アレックスを助け逃がしたアマンダ。訓練生の一人や二人ぐらいたやすく殺してしまいそうなぐらいの冷酷っぷりと妖しい雰囲気をあれだけ滲ませていたのに、うーん、この展開は、なんとも解せない(苦笑)。ブラックボックスの謎も来シーズンに持ち越しだし、シーズン2では、ニキータとアレックスの所謂「姉妹コンビ」の関係がどのように変化していくのか、楽しみであります。
常夏の国ハワイで起きる凶悪事件に州知事によって組織された特別チーム「FIVE-0」の4人が挑む『HAWAII FIVE-0』。オリジナルは未見なので、このリメイクがどれほどオリジナルに忠実なのかはわからないが、カマロのカーアクションあり、軽い銃撃戦あり、たまに爆破もあり、カッコ良いオープニング良しととりあえず一話完結もののアクション系ポリスものとしては及第点の面白さだった。シリーズ中盤からスティーブの父殺しに関与した日本のヤクザ組織が登場し、以後、スティーブと彼の宿敵ウォー・ファットとの対立が伏線として描かれるようになった。【ここからはネタバレなので注意】最終回は、かなり衝撃的な展開。以前にも登場した州知事の秘書のローラさんが劇中の冒頭で爆死してしまったよ…(愕)。一瞬刑事貴族の岩田刑事の殉職シーンが過ぎったが(苦笑)、来シーズンは、ぜひともレギュラー入りして欲しいキャラだっただけにちょっと残念。しかも、本来狙われていたのは、スティーブであり、彼は、ローラ殺害の濡れ衣を着せられてしまう。スティーブは、兼ねてから疑惑を持っていた州知事の部屋に潜り込んで、直接知事から話を聞こうとするが、そこへあらわれたのがウォー・ファット。ウォー・ファットは、スティーブを気絶させ、なんとスティーブの銃を使って州知事を射殺してしまった。ローラ殺しに加えて州知事殺害の汚名を着せられてしまったスティーブ。さらに以前、首に爆弾を巻きつけられたチンを助けるために、スティーブ達が警察本部の地下保管庫から大金を盗み出したことがあったが、その現場を目撃したおばさんの証言によって、コノも逮捕されてしまう…。あーあ、FIVE-0から逮捕者が二人も…。物凄く尾を引くラストだったが、シーズン2冒頭では、この二人どうなってしまっているのか・・・それも含め来シーズンも期待大。
とりわけアクション刑事ドラマが最盛期だったのは、70年代後半~80年代前半。『西部警察』を代表に『大都会』『大空港』『大激闘マッドポリス'80』などの刑事ドラマで見られるカーチェイスや爆破シーンは、今見てもリアルな迫力が楽しめる。刑事ドラマ以外にも、この当時に公開されたアクション系の映画には、必ずと言っていいほどカーチェイスや爆破シーンがあり、とてつもなく派手でした。今回は、その中でも印象に残った作品を数本紹介いたします。
『暴走パニック大激突』・・・渡瀬恒彦演じる銀行ギャングの男が大阪で銀行強盗事件を起こし、逃走したのをきっかけに、逃走車のクラウンとそれを追うパトカーとのカーチェイスがスタート。そのカーチェイスに巻き込まれ追突されたタクシーやビールを運搬するトラック、そして、パトカーが若者を轢き逃げしたのをきっかけに、激怒した一般人の車がカーチェイスに加わる。さらには、MHK(松本人志のコント番組じゃないよ(笑))のアナウンサーに取材を受けていた暴走族の前に、カーチェイスを繰り広げている数十台の車がやってきて、MHKの中継車と暴走族を巻き込み、怒った暴走族のバイクがカーチェイスに加わり、MHKの中継車もそれを追って、実況する。狂い出す一般人、警察を脅すやくざ、手柄の取り合いをする警察、しまいには、MHKのアナウンサーもキレまくって暴走し、とんでもなカオスなカーアクションが展開される。ちなみにMHKのアナウンサー役は、仮面ライダーの地獄大使など特撮ヒーローもので数多くの敵役を好演した潮健志氏。監督は、深作欣二氏で、カメラワークもテンポが良いし、出てくる男達は、どいつこいつもいかつく勇ましく破天荒。この時代の自由奔放なアクション映画の凄まじさは、ぜひとも今のアクション映画にも見習って欲しいものだ。大阪・神戸を舞台にしたカーアクションものは珍しい。
『太陽を盗んだ男』・・・中学校の理科教師が自宅のアパートで原爆を作り、一人で国家や警察に立ち向かっていくとてつもなくハイスケールな物語。原子爆弾製造のリアルな描写や神風特攻隊風の男にジャックされたバスが皇居前に突っ込んでいく場面をゲリラ撮影したことなどでも話題になったこの作品。沢田研二演じる主人公・城戸が乗るサバンナRX-7が首都高を激走する場面も凄いが、やはり、山下刑事が乗るコスモAPとのカーチェイスシーンが凄まじい迫力。トレーラーの下を屋根を吹っ飛ばしながら猛烈に潜るコスモAPのカッコ良さに加えて、当時新車のサバンナRX-7が空高く華麗に大ジャンプしてトレーラーの真上を飛び越えるカーアクションシーンも圧巻。
『化石の荒野』・・・殺人の濡れ衣を着せられた警視庁捜査一課の刑事が自分の無実を証明するために5千キロの金塊を積んだ爆撃機を巡る謎を解き明かす。こちらも主演は、渡瀬恒彦氏で、彼が演じる仁科と山沢が乗る車と数十台のパトカーが深夜のカーチェイスを繰り広げる。仁科達の車が交差点を通り過ぎた後に、両脇からやってきた一般車が立ち往生し、その一般車にパトカーが激突して、後続の数十台のパトカーも次々とぶつかりあって、クラッシュしたパトカーが路上で山のよう積み重なっていく。シカゴの町ではちゃめちゃなカーチェイスを繰り広げたあのブルース・ブラザーズを彷彿させるような激烈なカーアクションだった。
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