ボクシング映画の代名詞『ロッキー』を作ったジョン・G・アビルドセン監督のもう一つの代表作『ベストキッド』のリメイク版は、『バッド・ボーイズ』シリーズや『MIB』シリーズ、『インディペンデンス・デイ』など数々のハリウッド大作に出演しているウィル・スミスの息子ジェイデン・スミスと、初の師匠役にチャレンジしたジャッキー・チェンの異色の共演作になっていた。オリジナルでは、日系アメリカ人のノリユキ・パット・モリタが沖縄育ちの空手の達人・ミヤギ老人役を演じていたが、ジャッキーが演じるハンも独特の個性が出ていて面白かった。舞台は、アメリカから中国に変わり、人物設定も白人少年と日本人師匠のコンビから、黒人の少年と中国人師匠のコンビになったが、ストーリー展開は、概ねオリジナルをなぞったものになっていた。唯一大きな違いは、オリジナルは、主人公が空手を習うのに対し、リメイクでは、カンフーを習っている(でも、なぜだか原題は、THE KARATE KIDのまんま・・・)。師匠がジャッキーだけにやはり空手では説得力がないですしね・・・(苦笑)。
この間久々にオリジナル(吹替え)を見たがいやはや懐かしかった。オリジナルが日本の地上波のテレビで何度も放送されていた頃は、エアーウルフやAチームなどテレビドラマでも、馴染みのある日系の俳優を結構見かけましたね。ダイ・ハードにも出ていたジェームズ・シゲタもその時代を代表する日系俳優の一人だった。ノリユキ・パット・モリタも刑事スタスキー&ハッチや私立探偵マグナムなどテレビドラマに数多くに出演していたようです。ちなみに、1989年には、ベストキッドのアニメシリーズも制作されており、ノリユキ・パット・モリタがアニメでもミヤギの声を担当したそうです。オリジナルの劇伴を担当したのは、ロッキーシリーズのビル・コンティ。劇中では、当時のヒットナンバーが数多く流れ(ナイトライダーでも使用されたバナナラマのちぎれたハート【Cruel Summer】も聞けます)、MTV風な演出も楽しめたが、リメイクは、そのような演出は一切なく、故宮や紫禁城、万里の長城などの名所が映し出され、ある意味中国のPV的なしっとりとしたイメージになっていた。
オリジナルでミヤギ師匠がやっていた箸でハエをつまむシーンを、ジャッキー(ハン)師匠がさりげなく再現していたのが良かった。ミヤギがダニエルに教えていたワックス磨きによる特訓シーンは、日本のコント番組でもよくネタに使われていたが、今回のリメイクでは、ジャケットの着脱による特訓シーンに変わっていた。ドレ少年が自分の着ているジャケットを脱ぐ、着ると言う動きを繰り返し、そこからカンフーの動きを体得する。いかにもジャッキー師匠らしいアイデアと言うか、ジャッキーだからこそ納得できる修行風景だった。オリジナルでダニエルがやった「鶴の構え」、これは、ぜひジャッキー師匠にやってもらいたかったが、まあ、あんまりやりすぎるとクレイジーモンキーとかになっちゃうしな…(苦笑)。
[0回]
PR