アメリカ大陸を横断する過激なレース映画は、1970、80年代に数多く作られましたが、日本でもっとも有名なのは、やはりあの『キャノンボール』。昔は、よく日曜洋画劇場や、ゴールデン洋画劇場などで見かけたが、ようやく去年の年末に日本語吹替え版入りのDVDが発売されました。東海岸のコネチカット州をスタート地点に、チャレンジ精神旺盛の一癖あるユニークな参加者達があの手この手を使って警察の取り締まりの包囲網を潜り抜けながら、ゴール地点の西のロサンゼルスへ向かう。数々の名車がど派手な走りを見せるところも注目ですが、当時のスター達が大集結しているところも見所の1つ。『トランザム7000』シリーズのバート・レイノルズや、当時は、現役のジェームズ・ボンドだったロジャー・ムーア、ジャッキー・チェンとマイケル・ホイのコンビは、日本人役で出演している。
バート・レイノルズ演じるJ.J.マクルーアは、なぜか救急車でのレース参戦で、ドム・デルイーズが演じる相棒のビクターと良いコンビネーションを見せているが、どうせなら、イーグルマスクのトランザムにでも乗って走ってもらいたかったなぁ…。ロジャー・ムーアは、本人役で出ていますが、自らを皮肉るようなセリフをズバスバと喋っているところが面白い。彼の愛用車は、もちろんアストンマーティンDB5。劇中では、特殊装置を使用する場面も見られます。ジャッキーとマイケル・ホイが乗る日本車のスバル1600は、こちらもナイトライダーのナイト2000のようなハイテクマシーンと言う設定になっていて、カーナビやロケットエンジンを積んでいて、大ジャンプをしたり、過激な走りを見せてくれる。この作品は、ジャッキーと日本車が初共演した記念すべき映画でもあります。美人の女コンビが乗る黒いランボールギーニがスピーディーに公道を激走するシーンも迫力満点。オープニングからNG集つきのエンディングまで、全編にわたって痛烈な笑いと馬鹿馬鹿しさで埋め尽くされているが、改めてあの時代の雄大さに酔いしれます…。
DVDには、フジテレビ制作の日本語吹替え版が収録されています。写真家のパメラ役を演じるファラ・フォーセットの声を、当時JACで活躍されていた志穂美悦子さんが担当している。ファラと言えば、当時、TVドラマ「チャーリーズ・エンジェル」で、日本でも一躍有名になった女優さんですが、日本のファラ・フォーセット的なイメージで志穂美さんがキャスティングされたのでしょうかね…なんとなく合点がいきます。ロジャー・ムーアとマイケル・ホイの声を広川太一郎氏が一人二役で演じきっているところも注目すべきところ。ムーアのシブい声とマイケルのおちゃらけた感じの声をアドリブを交えながら見事に演じられているのが凄い。ぜひとも続編の『キャノンボール2』も日本語吹替え版つきのDVDをリリースして欲しい。
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