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10年の時を経て遂げたエボリューション!! さぁ私のぼやきを聞いておくれ!
2024/11月

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この間イマジカBSでイタリアのホラー監督ダリオ・アルジェント作品の特集放送があった。有名な『サスペリア』を初め、監督初期作の『歓びの毒牙』や『わたしは目撃者』なども放送されていて、中々見応えがありました。


『歓びの毒牙(きば)(1969)』は、ダリオ・アルジェントのデビュー作。ローマに旅行中の米国作家サムは、夜、画廊で殺人事件を目撃する。黒いコートを着た人物が女性の腹部をナイフで刺して逃走した。女性は、画廊の経営者ラニエリの妻・モニカで、彼女は、一命は取り留める。サムは、犯人として疑われるも、この事件に興味を抱き、犯人捜しを開始する。モニカは、ローマで多発しているブロンドの女性ばかりを狙った連続殺人事件の4人目の被害者であった・・・。


アルジェントの代表作の「サスペリア2」や「シャドー」を先に見てしまっているので、これらの作品の後にこれを見ると、なんだか既視感があり、不思議な感覚になってしまった。つまり、デビュー作からすでに後の作品の骨格となる要素が詰め込まれていたということなのでしょうね。後の作品よりも残酷描写は少なめで、アルジェント映画の定番のゴブリンの音楽もまだありませんが、この映画の音楽を担当しているエンニオ・モリコーネのジャズ風の音楽もしびれるし、冒頭のガラスを使った殺人シーンなど、アルジェント独特の殺人描写も秀逸で面白かった。ただ、映像がデジタル・ニューマスターのDVD画質で画面が奇麗になりすぎて、アルジェントの映画が持つ不気味な雰囲気が半減してしまっているのが少々残念。綺麗な映像で見られるようになったのは良い事だけど、やはりアルジェントの映画は、多少色褪せていていかにもフィルムっぽい映像のほうが刺激的だと思う。



『わたしは目撃者(1971)』・・・元新聞記者の盲目の老人フランコ・アルノは、夜、姪のローリーと外を歩いていた時、車の中で言い争っている男の声を聞く。フランコは、ローリーにその男の顔を見るように指示する。遺伝子研究所に何者かが侵入し、所員のカラブレジ博士がプラットホームから突き落とされて殺される事件が起きる。新聞でカラブレジ博士の写真を見たローリーは、言い争っていた男がカラブレジ博士であることを知る。フランコは、記事を書いた新聞記者ジョルダーニに会い、落下の瞬間を撮影したカメラマンのリゲットと接触しようとする。


アルジェントの2作目の作品で、デビュー作の歓びの毒牙よりも残酷描写は少なく、ごく普通の推理系のサスペンス(ジャッロ)映画だったが、カラブレジ博士がプラットホームから落ちて列車に跳ねられる瞬間などの殺人シーンのインパクトは絶大で衝撃的。前作に続いて、音楽は、エンニオ・モリコーネが担当しているが、いまいち印象は薄い。老いた盲目の元新聞記者と若い新聞記者がコンビを組んで事件を解決するのは、今見ると目新しい感じがした。中盤には、アルジェント映画では珍しい市街地を激走するカーチェイスシーンが見られる。殺人事件の動機となる遺伝子絡みの話も中々興味深かった。



『シャドー(1982)』・・・ニューヨークの推理小説作家ニールが新作「暗闇の祈り」の宣伝の為にローマにやってくる。丁度その頃、若い女性が自宅で何者かに剃刀で喉を斬られて殺される事件が起きる。殺害現場に「暗闇の祈り」が散乱していたことや、殺害の手口が小説と同じである事がわかり、ニールは動揺を隠せない。そこへさらなる殺人予告の電話が鳴り響く。予告の通り、文芸記者のティルデと同居人のマリオンが小説と同じ手口で殺され、ニールの元に脅迫状が届く・・・。


「サスペリア」や「インフェルノ」など、サスペリア三部作の後の本作は、アルジェントの本気炸裂といわんばかりの過激な殺人描写がオンパレード状態。一応、スタンスとしては、わたしは目撃者と同じく推理系のサスペンスになっているが、当時「13日の金曜日」など殺人鬼ものが流行していたことも影響してか、殺人描写はよりエキセントリックに、より強烈なものになっている。学生の頃、地上波の深夜放送を見て(当時はこういうホラーものも普通に地上波で見ることができた)、もう一度ビデオレンタルをして見た作品なので、アルジェント映画の中では、もっとも思い出深い作品。


今回が四度目ぐらいの鑑賞になるが、最初に見た時感じた恐怖がじわーっと蘇ってきた。やはり、ティルデとそのレズビアンのマリオンの殺人シーンが圧巻。ゴブリンの不気味な主題曲が流れる中、ティルデの自宅を下から上の階へ、そして屋根から侵入口をなめまわすように1カットで撮る犯人視点のカメラワークが斬新かつスリリング感たっぷりで何度見ても面白い。ニールの婚約者のベロニカが突然腕を切られて、腕から飛び出る鮮血で白い壁を染めてゆく場面も強烈。やはり、アルジェント映画にゴブリンの音楽は欠かせないことを再確認させてくれる映画ですね。










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