『V』のリメイク版新シリーズ全12話視聴。オリジナルのほうは、見れば見るほど今の日本の状況と気味が悪いくらいにマッチしていてやはり今見ても面白い。さて、新シリーズは、オリジナルと比べると、よりリアルチックになったと言うか、今風の役者に、綺麗でシックな映像、空に浮かぶ巨大な宇宙母船や戦闘機のデザインや動きがCGによってより繊細に表現されているところはなかなか良かったが、全体的に作りが簡素になったと言うか、物足りなさを感じた。例えば、母船内のセットは、空港のロビーのような作りでいまいち。オリジナルは、未来的な雰囲気に満ちていてセットの作りにも重厚感があり、見ていてわくわくしたものですが…。
それから、ビジターの服装がオリジナルよりも地味。アナのように人類と同じ服装を身につけているビジターが多く、人間とビジターの判別がはっきりしなくて、わかり辛くなってしまっていた。オリジナルのビジターは、モジュラーをかけたような独特の声を発したり、トカゲのような長い舌を出したり、わかりやすい特徴があった。今回も腕の傷の切り裂かれた部分からトカゲのような肌が露出したり、オリジナルと同じく、顔の皮をむいたら、本当の姿が・・・みたいな描写もあったが、オリジナルほどのインパクトは感じられず、また全体的に人類と同化し過ぎて、画的につまらなくなっていたのが残念だ。
人類とビジターの恋愛、そして妊娠、出産などの場面は、オリジナルにもあったが、今回は、ビジターの反乱分子が随分前から地球に潜伏していると言う設定があり、初回からいきなり人間とビジターの夫婦も登場している。人類とビジターの混血の子供のことを「ハイブリット」と呼んでいたが(車かいな(笑))、この設定だと、ハイブリットがもっと多く存在していてもいいような気がした。
ビジターと地球人+ビジターの反乱分子によるレジスタンス「第五部隊」の戦闘描写も光線銃でど派手に撃ち合うわけでもなく、オリジナルほどの緊迫感が感じられなかった。シーズン1最終回に第五部隊が母船に潜入し、ビジターのリーダー・アナが産んだ兵士の卵を破壊する場面があったが、そこに行き着くまでの描写にスリリングな見せ場も少なくあっさりしすぎているため面白味に欠けた。ビジターの兵士があまり強そうに見えないのもなんだかなあ・・・。音楽にも緊迫感が感じられなかった。
アナ役のモリーナ・バッカリンは、その姿が回を負うごとにどんどん爬虫類のように見えてきて、なんとも不気味で不思議な存在感を醸し出していたのが印象に残った。人類から同情を引くために、自分の娘であるリサの顔に傷をつけ、両脚を折って、第五部隊がやったように見せかけると言う卑劣な手段を使う辺りは、未知なる生命体の底知れぬ怖さが滲み出ていた。そう言えば、オリジナルのダイアナは、レジスタンスのリーダーのジュリーに肌色の全身タイツみたいなものを着せて(一瞬裸かと思いましたよ当時(苦笑))、奇妙な部屋に閉じ込めて洗脳するための改造手術をやっていたが、昔は、あれでも結構極悪な感じに見えたものですけど、今度のビジターのリーダーは、やり方がやくざ的で違った意味の怖さがありますね(苦笑)。
様々な謎を残したままシーズン1は終了。終始まったりした展開でストーリー的にもいまいち盛り上がりに欠けていたような気がする。シーズン2も聞くところによると、かなり尾を引いてもやもやしてしまうラストになっているとか。て言うか、やはりこれも打ち切りだったわけですね…。最近のアメドラは、肝心な伏線を回収せず、尻切れトンボみたいに終わってしまう作品が数多いのが気になります。シーズン2には、オリジナルでドノバンを演じたマーク・シンガーも出演しているようだし、一応は見ますけどね(苦笑)。
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