【この記事はネタバレなので注意!!】AXNで放送中の『ザ・シールド』。今週シーズン5の最終回が放送されました。この話を見るのはかれこれ3度目ですが、やはり、何度見てもショッキングで、なんともやるせない気持ちにさせられます。初めて見たのは、5年前。丁度その頃放送されていたのがシーズン5でした。その時は、シーズン4までの内容を知らなかったので、なぜシェーンが仲間のレンをあのような酷いやり方で殺してしまったのか理解できなかったが、その次の連続放送でフルシーズン視聴してようやく理解することができました。やはり、過去の4シーズンをしっかり見た後だと、より哀しみが深くなる。このシーズンが、ある意味この作品のターニングポイントであり、レンの死をきっかけにヴィック・マッキー率いるストライクチームは、少しずつ破滅の道を歩み始めて行くのです。
このシーズン5には、『プラトーン』『ブローン・アウェイ/復讐の序曲』『フォーン・ブース』など数々の大作映画に出演しているフォレスト・ウィテカーが内務調査課のキャバナー刑事役として登場し、ストライクチームのこれまでの数々の悪事を暴こうとします。そのキャバナーの最初のターゲットにされてしまったレン。今までいろんな修羅場を掻い潜ってきたストライクチームなら、今回の困難も乗り切れると思ったが、やはり相手が悪かったのか。ヴィックたちと共に数々のワルをやらかしてきたが、一番仲間想いで優しいレンに狙いをつけられたのが運の尽きだったのかもしれない。再三の圧力にもめげずに、一時は、事件の捜査中にキャバナーに罠を仕掛け、見事撃退したヴィックたち。それでも引き下がらなかったキャバナーは、今度は、ヴィックの家族に狙いをつけ始める。ヴィックも反撃に出て、キャバナーの元妻に近づいたり、そのせめぎ合いが面白い。だが、ヴィックたちは、キャバナーを甘く見過ぎたのかも知れない。逆に言えば、あの特異なキャバナーだからこそ、ヴィックたちをあそこまで追いつめることができたのか…。
シーズン1初回でヴィックが仲間のテリーをいきなり銃で撃ち殺した時も物凄いインパクトがあったが、考えてみると、あの時ヴィックも、チームを守るためにあのような行動に出た。ヴィックの凄まじい悪行をそばで見てきたシェーンであるがゆえに、あんなおもいきったやり方でレンを死に追いやってしまったのであろうか…。確かにシェーンは、ヴィックほどメンタルが強くないし、だからこそヴィックに憧れ、やり方を真似ようとする気持ちは理解できるけど…。しかし、よりにもよって手りゅう弾で仲間を吹き飛ばすなんて、やはりどうかしている。チームのためでなく、自分と家族の保身を最優先してしまったシェーンには、怒りを通り越して、呆れてものも言えない。車の中で手りゅう弾が爆発した後、虫の息になって、それでも優しそうにシェーンを見つめるレンのあの表情が本当に何度見ても切ない。「これで満足か!レンが消えて満足か!」と言うキャバナーの言葉にキレて、キャバナーと取っ組み合うヴィックの気持ちはよくわかるが、しかし、全ての元凶は、ヴィックにあるという事もまた忘れてはいけない事実。あの時、ヴィックがテリーを殺さなければ…。やはり、全てがあの事件から始まっているのですね…。
このドラマ、1シーズンも欠かすことができない、本当によくできた刑事ドラマです。とくにこのシーズン5のヴィックたちとキャバナーの対立は、シリーズ最高の面白さです。そして吹替え版がまた素晴らしい。最終回のあのレンとシェーンのやりとりやシェーンが泣き叫ぶところの吹替えの演技、ジーンと来ましたね。シーズン6以降も目が離せない。地上波で放送されないのは、非常にもったいない。
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