去年の秋にAXNでスタートした「CHASE/逃亡者を追え!」も最終回間近。ジェリー・ブラッカイマーが製作総指揮を取っていると言うことで注目した作品ですが、CSIみたいに最先端の科学知識や技術をちりばめた捜査をやるわけでもなく、画的には、やはり7、80年代くらいのどこか地味で古めかしいが懐かしい刑事ドラマと言う印象です。
テキサスを舞台にしていることも作風が一層地味に見える原因かもしれない。広大な農場とか砂漠とか、のどかな田舎町を背景に事件捜査をしているのでドンだけ激しいアクションをやっても、それほどど派手な感じに見えない。テキサスと言えば、カート・ラッセルが元スタントマンの殺人鬼を熱演した「デス・プルーフ」やと言う映画の舞台にもなっていたが、そうそうあの映画の雰囲気とどことなく似てる。毎回登場する特異な犯人達の行動にスポットを当てている部分にホラー的な要素が感じられる。まあデス・プルーフぐらい過激なカーアクションなどの見せ場があったら、面白いのだろうけど、でも、今の雰囲気でも馴染めるというか、十分に楽しめます。
やはりこのドラマは、主人公の女保安官アニーのタフな姿を存分に楽しむためのドラマ。アニーは、チームのリーダー的なポジションであるが、そのチームワークで犯人を追いつめるというよりは、アニーがどれだけ無茶をしながら犯人を逮捕するのか、それが最大の見せ場なのではないかと思う(笑)。高い橋からダイブしたり、犯人が乗るトレーラーをヘリで追っかけて、ヘリからトレーラーのコンテナの上に飛び移ったり、離陸寸前の複葉機の翼にしがみついて飛行を阻止したり、爆弾で吹き飛ばされたり。ビバリー・ヒルズコップのアクセルもびっくりなワイルドなアクションの数々。カーアクションや爆破に極力CGを使っていないところも個人的には好印象です。
そんなたくましいアニーが、前後編のエピソード「麻薬カルテル」で、かなり危機的な状況に追い込まれていたのが印象的だった。麻薬のカルテルのボス・コルドヴァの家族が敵対する組織に殺され、その警備についていたアニーがコルドヴァに逆恨みされた挙句拉致され、国境を越えてメキシコにあるコルドヴァのアジトに監禁されてしまう。ここまでの展開は、なかなか緊迫感があって良かったのだが、同じく監禁されていた少年を連れてアジトから脱出するシーンがちと肩透かし。コルドヴァさんたちの監視が手薄過ぎて、思わずガクッとしてしまった(笑)。でも、逃げ切ったアニー達がガソリンスタンドに立ち寄ってから空き家へ逃げ込むまでの展開は、なかなかスリリングで面白かった。
それにしてもこのドラマ、18話で打ち切りになってしまったのが本当に残念。昔ブラッカイマーが作っていたアクション映画みたいで、結構イケてると思うのですが、最近のアメリカの視聴者は手厳し~いなあ(苦笑)。
[0回]
PR