今週最終話を迎えた日テレプラスで放送中の『刑事貴族』風間編。6年前の地上波の再放送以来久しぶり最後まで見ましたが、やはり風間編のベストとも言うべきストーリーは、「殺人ビデオへの招待」と最終話の「今日、刑事が死んだ」だと改めて認識。この2話は、風間編初回以来のハードなストーリーであり、話もつながっていて、最終話にふさわしく、衝撃的な展開の連続です。殺人集団に突如狙われ、四方八方からライフルの銃弾を浴びせられる風間刑事。なぜ自分が標的にされるのか、何もわからぬまま廃工場の敷地の中を見知らぬ女性と逃げ惑う。風間をターゲットにした殺人ゲームが行われ、その様子がビデオで撮影されるという衝撃的な内容ですが、実は、この作品も『太陽にほえろ!』「島刑事よ、安らかに」のリメイク作品。犯人達に殺人ビデオの撮影の依頼をした相手は、一体誰なのかと言う謎を残したまま話は終わり、最終話でその謎が解き明かされると言う伏線を張った展開が中々素晴らしかった。もし標的が牧だったらもっとアクション演出が派手で荒々しくなっていたかも。牧版「殺人ビデオへの招待」も見てみたかった。
最終話は、本庁がコカインの横流しをしていると言う情報を聞き、内密に捜査をしていた風間の身代わりになって岩田刑事が殉職。代官署の刑事達は、全力を上げて、岩田の弔い合戦とも言うべき大捜査を開始する。登場して数分後にあっけなく車に仕掛けられた爆弾で爆死してしまった岩田。リアルタイムで見た時から、これには違和感があったのだが、しかし、この二話を一本の2時間スペシャル版と捉えれば納得がいく。コカインを横流していた犯人(本庁の刑事)を追いつめた泉が、犯人に撃たれて危機的な状況に追い込まれるや、これ以上仲間を失うわけにはいかないと、風間が自分の掟を破り、銃で犯人の心臓を撃ち抜く・・・。ここで、風間編の初回(「熱い街から来た刑事」)で風間が言った言葉が響いてくる。「俺が心臓を撃つのはデカを辞めるときだ!」…。その言葉の通り、風間は、代官署を去る。去り際が一番筋が通っていて、カッコ良かった風間刑事。シリーズの途中からエンディングテーマが宇都美慶子の「空に虹が浮かんでも」に替わったが、最終話では、また郷ひろみの「もう誰も愛さない」が流れ、風間の旅立ちのテーマとして使われていたのが印象的だった。恋人のより子を失って間もなく、今度は、可愛がっていた後輩まで失ってしまった泉も二度の深い哀しみを背負いながら代官署を後にする。風間編は、ある意味泉編と言ってもいいくらい泉が活躍するストーリーが多かったような気がします。最終話は、風間とFBIが絡んだストーリーになっていたが、シリーズ中盤にもう少しFBI関連の話があっても良かったのではと思った。
さて、次週からは、『刑事貴族2』がスタート。リアルタイム以来20年ぶりに見ることになりますが、初期のレギュラーメンバーの中で、若手のお二人が亡くなられているんですよね…。やはり時の流れを感じます。泉がそのまま代官署に残っていたらどんな面白キャラに変化したのか見てみたかったなあ・・・。そう言えば、本城を演じる水谷豊さんと泉役の布施博さんは、同じく日テレ金8の刑事ドラマ『ハロー!グッバイ』ですでに共演されていたようですね。この刑事ドラマ、もろバブル期の作品でビデオ撮影なのが少々残念なのですが、刑事貴族の番外編のような感覚で楽しめます(笑)。
[5回]
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