日曜洋画劇場で去年ここで紹介した『トータル・リコール』が放送されていたので、久しぶりに見てみたが…愕然。この映画、トータルで1時間53分ぐらいあるので、テレビでは、おおよそ20分ぐらいは、カットされているはずだが…ポール・バーホーベンの得意とされるバイオレンス描写がことごとくカットされていたのが驚き。以前は、ジェリー・ゴールドスミスのオープニングテーマは、カットされていなかったはずだが、それもばっさり切られていた。ダグラスとロボットのタクシードライバーとの格闘シーンや、クライマックスのダグラスとリクターの対決シーンで、リクターの両腕が切断されるシーンも見事にカット。ここ最近の地上波の規制が厳しいとは聞いていたが、まさかここまでとはね…火星に住む三つおぱのミュータントも今はもう映せないのか…いやぁ、なんというか、もはや別の国に住んでいるみたいだ(苦笑)。いったい誰に対してこんな過剰な配慮をしているのか知らないが、作品の売りとも言うべき場面をことごとく潰すようなカットシーンのオンパレードでちょっともの悲しくなった。本当にもう地上波で映画は見れないな…。吹替えの出来は素晴らしいのになんとも勿体無い話だ。淀川さんがご存命だったら、やはり、色々と指摘されていただろうか…。というか、今度また「イレイザー」があるんだな…。
もう何度も見ている映画ですが、バーホーベンのバイオレンス描写の生々しさが本当に凄まじい。当時のSFX技術の独特の不思議さや不気味さが映像に色濃く滲み出ています。ダグラスが頭に埋め込まれた発信装置を鼻から引っこ抜くシーンの痛々しさ、火星のステーションでダグラスがかぶっていたおばさんのマスクが暴走して、マスクがスライス状に分断されるシーン、空気のない地上に放り出されたダグラス達の目が今にも飛び出しそうになるシーンなどなど、とにかくインパクトのある映像が次から次へ続出する。今時の映画のバイオレンス描写と見比べると、若干柔く見えるようになったが(最近のほうがかなりリアルでどぎつさがある)、20年経った今でも映像は、鮮烈だ。
シュワちゃんもローリー役のシャロン・ストーンも当然ながら若いなぁ。シャロンは、この後、おなじくバーホーベン監督の「氷の微笑」で大ブレイクして、スタローンと「スペシャリスト」で共演していましたね。懐かしい役者さんが多数いましたが、まずは、コーヘイゲン役のロニー・コックス。バーホーベンが監督した「ロボコップ」でもオムニ社の幹部役として極悪非道な男を演じていたが、「ビバリーヒルズ・コップ」で演じたエディ・マーフィが演じるアクセルの良き理解者ボゴミル警部補役も印象に残る。デボンの声をあてていた中村正さんがロニー・コックスの吹替えをよく担当されていましたね。そして、マイケル・アイアンサイド。最近、「ターミネーター4」で久しぶりに見かけたが、相変わらずあのシブさは、健在だった。確か初めて見たのは、テレビシリーズのSFドラマ「V」のハム・タイラー役。「特攻野郎Aチーム」にもゲスト出演していたが、やはり、アイアンサイドと言えば、タイラーの印象が強い。Vでタイラーの吹替えを担当した麦人さんの声がものすごくマッチしていたので、以後アイアンサイドの姿を見る度、麦人さんの声で脳内再生されてしまう。トータル・リコールも麦人さんが担当しているものだと思い込んでいたが…あれ、ハンニバル?…ロッキーの声でも御馴染みの羽佐間道夫さんだったのか…。バーホーベン監督の「スターシップ・トゥルパーズ」にも出演していたが、この映画でも結構エグイ役を演じていたなぁ…アイアンサイド、またSFアクションで雄姿を見せて欲しいですね。
「V」シリーズのハム・タイラーが一番のハマリ役だったマイケル・アイアンサイド。
正直、ジャック・ニコルソンの弟だと思っていた事もあったよ…(苦笑)。
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