ここ数年ハリウッドでは、アイアンマン、バットマン、ハルクなどを筆頭にヒーロームービーが立て続けに大ヒットしておりますが、日本でも昨年戦隊、仮面ライダー以外にエイトレンジャーなるものが公開されていました。ご存知の通りこの映画は、ジャニーズの若手が主演した作品ですが、何より私が衝撃を受けたのは、あの舘ひろしさんがついにヒーローものに出演したこと。舘さんと言えば、西部警察を皮切りに、あぶない刑事、ゴリラ警視庁捜査第8班、刑事貴族、代表取締役刑事、愛しの刑事、新宿鮫シリーズ、七曲署捜査一係シリーズ とひたすら一筋に刑事役を演じてきた「ジャパニーズナンバーワンデカ」。…こんな賞があったらぜひとも贈りたいですが、その舘さんがついにヒーローものに出たことに驚いた。リアルタイムでもっとあぶない刑事を見ていた頃に、舘さんのヒーローものも見てみたいなあと心の中で一瞬思ったことがあったが、ついにそれが実現してしまった。見た目はシルバー仮面みたいなんですが…なんかもうちとメタル系のメカニックなスーツを着て欲しかったなあと言うか…(苦笑)
大物俳優がヒーローになったパターンとして渡辺裕之氏。さすらい刑事旅情編など刑事ドラマにも出演していましたが、実は、「仮面ライダースーパー1」のスーパー1=沖一也役のオーディションを受けていたことが数年前に発覚。「少女コマンドーIZUMI」では、G機関の謎の幹部を演じてアクションを見せていましたが変身はせず。その後、「ウルトラマンガイア」では、XIGの司令官役でレギュラー出演するも変身なし。そして、「劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!」でついに仮面ライダーガオウに変身!スーパー1から27年の時を経てライダーになったんですね。
刑事からヒーローに華麗なる転身を遂げた人と言えばやはり思い出すのは、この人。
西部警察でジン(兼子仁)を演じた五代高之氏。番組スタートから一年間刑事役を演じ、第54話で銃撃戦の末、殉職と言う形で降板直後に、「太陽戦隊サンバルカン」に出演。しかも、リーダーの2代目バルイーグル=飛羽高之役で、番組途中からレギュラー入りを果たすと言う戦隊シリーズ唯一の歴史を残した。
ヒーローものから刑事ドラマへの逆パターンは結構ありますが、その中でも有名なのが、やはり特捜最前線。最近復活を遂げた特捜最前線ですが、歴代レギュラー陣の中で、実に4人の俳優が特撮ヒーローものの主演経験者だった。
桜井哲夫…藤岡弘→仮面ライダー1号(本郷猛)
叶旬一…夏夕介→ヒューマン(岩城淳一郎)、スカイゼル(葉山譲治)
吉野竜次…誠直也→アカレンジャー(海城剛)
津上明…荒木しげる→仮面ライダーストロンガー(城茂)、超神ビビューン (月村圭)
刑事ドラマに被害者・犯人役などでゲスト出演した後、ヒーローになった方々もたくさんおられましたね。
特捜最前線「豪華フェリージャック・恐怖の20時間!」…内田直哉→デンジグリーン(緑川達也)
爆走! ドーベルマン刑事「指名手配の少女を救出せよ」…石井茂樹→ゴーグルブルー(青山三郎)
西部警察「ワイルド刑事ハート」…沖田さとし→ダイナレッド(弾北斗)
太陽にほえろ! 「ボギー刑事登場!」…河合宏→チェンジグリフォン(疾風翔)
誇りの報酬「お嬢サマが危ない!」…草刈滉一→ブラックマスク (ケンタ)
ベイシティ刑事「サンタが殺しにやって来る」…西村和彦→イエローライオン(大原丈)
ファミリー劇場で放送中の刑事貴族、今週分から風間編がスタートしていますが、風間編の主演と言えば、郷ひろみ氏。当時、このキャスティングは、本当に驚きで、舘さんの次がなぜ郷ひろみなんだろうと不思議でならなかった。風間刑事の設定がニューヨーク帰りの元FBI出の刑事と言う事もあってか、この放送の一年ぐらい前まで実際にニューヨークに住んでいた郷ひろみが大抜擢されたのでしょうか。実際に渡米経験があり、ニューヨークを連想させる日本の俳優・・・と言えば、やはり、当時は、この方だったのでしょうかね。先に郷氏の出演が決まっていて、設定は後付けだった可能性もあるでしょうが。個人的には、ベストテンとか夜のヒットスタジオなどの歌番組でよく見かけてトップアイドル的なイメージのほうが強かったので、「あの郷ひろみがハードボイルドな刑事ドラマの主演?マジで???」てな反応になった。でも、その前から映画やドラマで俳優としても活躍されており、刑事ドラマの主演は、2時間ドラマの「翔んでる警視」シリーズですでに経験済み。そのドラマでは、東大出身の秀才警視と言う役どころだったみたいですが、残念ながら未見です…。
意外なゲストが登場することも見所の新七人の刑事にその郷ひろみがとてつもなく凶悪な脱獄犯役で出演していました。「野獣の日」と言うエピソードで、郷氏が演じるのは、滝まさとと言う名の凶悪犯。警官二人を刺し殺して、殺人罪により東府中刑務所に入所していた滝は、ある夜、刑務所から出発するトラックの荷台に積まれた家具の中に身を隠して、見事脱獄に成功する。滝は、警官を刺し殺して制服と拳銃を奪った後、車の中でいちゃついていたアベックを襲い、男を射殺して、女を人質にとる。原っぱに乗り捨てられていたバスの中で女を監禁し、逃亡劇を繰り広げるのだが、佐々木刑事が劇中で言うように、まさにジャングルの中に住んでいる野獣みたいな男。
当時超売れっ子アイドルだった郷氏がこんな役を演じていたとは、いやいや意外。当時かなり話題になったのではないでしょうか。中々の迫真の演技で、その獣のような凶悪ぶりは、アイドルのイメージを覆すほど。命乞いする男を容赦なく射殺したり、スーパーでレジの金を奪い、警備員を射殺したり、ついには、監禁した女まで…。とにかくその暴虐非道ぶりが半端なかった。踊る大捜査線のテレビスペシャルかなんかでスマップの稲垣吾郎が湾岸署内に篭城する犯人役を演じていたが、あれと同じようなものか。でも、やはりこっちのほうが物凄くインパクトがある。
滝が原っぱで出会った少年とキャッチボールをし、少年と心を通わす場面があったが、滝が捕まった後、そのニュースを聞いた少年が豹変し、雨の中、原っぱに乗り捨てられた車にボールを投げつけ獣のような表情を浮かべている姿がとても印象的だった。
しかし、なんと言ってもこの話の最大の見所は、遊園地で元恋人を人質にとり観覧車に逃げ込んだ滝を、北川刑事がジェットコースターに乗りながら拳銃で狙撃する場面だ。ジェットコースターから射撃って…大門団長やリキでもそんなマネはできないであろう(笑)。
ある意味、射撃の腕前ナンバー1の北川刑事。カッコ良すぎだろ…。
欽ちゃんのバラエティ番組が終了してから僅かに迷走していたテレ朝水9枠で、突如ナイトライダーが1クールだけ放送され、その後「大都会25時」がスタート。そこから今まで25年間ブッ通しで刑事ドラマが続いている水9枠。「はぐれ刑事純情派」と「さすらい刑事旅情編」の2パターン編成の時代が続いた後に、「はみだし刑事情熱系」が登場して、久々にアクション刑事もの復活!と思ったら、ビデオ撮影だったので少しがっくりしたのも今となっては懐かしい思い出(苦笑)。
この秋で11シーズン目に突入した「相棒」。藤田まことのはぐれ刑事は、18シリーズ続いたそうだが、相棒もきっとそれぐらい息の長いシリーズになるのでしょうね。10年以上も続いているなんて凄いことです。太陽にほえろ!は、14年間連続放送だったからその記録を塗り替えるのは難しいでしょうが、まだまだ勢いを感じます。相棒、2度目の交代。新たな若手刑事と本城…ではなかった、杉下右京がコンビを組んだ。前のインテリ刑事とのコンビネーションも良かったけど、今回のコンビもなかなか。年の差があきすぎてバランスを崩すのではないかと始まる前は少し気になったが、フレッシュな刑事とのコンビネーションが逆に新鮮で良い感じです。しかしね、何かすっきりしないんですよね。もっとガツガツした熱い刑事ドラマが見たいのに、はみ刑事以降は、この枠でもその手の刑事ドラマはバッタリ途絶えてしまっています。
熱い刑事ドラマ…確かにこの枠にもありました。それは、1987年の10月から始まった「ベイシティ刑事(コップ)」。ベイシティもかれこれ放送から25年も経ってしまったんですね。放送当時は、何かとあぶ刑事と比べられて、評価も様々でしたが、自分的には、今の刑事ドラマよりずーっとハジけていてシブカッコ良い刑事ドラマという印象です。現在CSのホムドラで放送中ですが、今週は、19話「復讐…」が放送されています。いよいよ最終回が近づいてまいりました。視聴率の低迷で最期の方はコミカル路線からやや人情路線にシフトした傾向もありましたが、最後まで遊び心満載を貫き、リアルなガンアクションの追求も怠らず、ナツカシのオールディーズナンバーと共に、ハードボイルドなドラマが展開した。BGMは、当時流行ったビバリーヒルズコップ風なノリの良さで、派手なクラッシュや爆発はなかったけど、カーアクションも程々にあって、あぶ刑事よりもさらに軽快な刑事ドラマだったという認識です。今見返してみると、やはり、当時の横浜の雰囲気が良いんですね。無駄に都会していない情緒溢れる街並みの中で、小池と星野の二人が派手に撃ち合ったり、走り回ったり、自転車に乗って車を追いかけたり…あぶ刑事にはないパターンのスポーティーなアクションがてんこ盛りで、二人のアグレッシブな動きに魅了された。
ひたすら人もカメラが動き回っているドラマって最近は少ないですよね。アップめのフィックスでぬぼーっと人を映しているだけ。さらに長回し。延々同じアングルの中で登場人物たちが会話をしていたり…。まるで静止画のようなドラマばかりでどうも退屈・味気ない。ベイシティのような軽いフットワークの刑事ドラマ…また見てみたいですね。今の時代に求めるのはやはり酷なのか…。
それにしてもポマードにサングラス姿がキマっていた三浦洋一さん演じる北川刑事、かっこ良いですね。バイクに乗っている姿を見るとどうしても西部警察で舘さんが演じた巽刑事を思い浮かべてしまう。七人の刑事が製作されたのは1978年で、西部警察は、79年だから、元祖グラサン・オートバイ刑事は、北川刑事と言っても過言ではありません。その北川刑事は、かなりの苦労者という設定らしく、14話では、東北出身の若者が起こした殺人事件を追う中で、中卒から這い上がってきた自分の過去を回想しながら、北川が様々な想いと葛藤を繰り広げていた。北川以外の刑事達は、至って地味な印象で、特に目立った個性はないのだが、回を追うごとにその地味さに味わいを感じてきた。
三浦洋一さんと言えば、思い出すのが「さすらい刑事旅情編」。はぐれ刑事純情派と共に半年置きに交互で放送されていましたね。当時国鉄からJRに生まれ変わって間もない東京駅にある警視庁鉄道警察隊が舞台。フィルム撮影ながら、至ってアクションと言うアクションはなく、三浦洋一さん演じる香取達男警部補を中心に鉄道内で発生した事件を解決していく刑事ドラマだった。ベイシティ刑事の1年後に放送されたテレ朝水9の刑事ドラマでもあり、アクションも期待したが、本当に地味な人情ドラマで当時は、少々がっくりしてしまったのだが、当時大人気だった昼ドラの嵐シリーズで主演した渡辺裕之や高木美保もレギュラーで出演していたので、ついついチャンネルを合わせることが多かった。どうせなら、七人の刑事がフィルムで、さすらい刑事のほうはビデオ撮影でも良かったような気がするな。勝手な思い過ぎるが…(苦笑)。
『あぶない刑事 全事件簿DVDマガジン』が発売されました。あぶ刑事久々の出版ものと言うことでさっそくゲットしてみましたが、中々の濃い内容でございました。付属のDVDに収録されているTVシリーズ初回の「暴走」「救出」についての詳しい解説をはじめ、表紙を開くと、劇場版「あぶない刑事」のミニポスターがつけられていて、その裏面には、港署のフロア図が掲載されていました。タカが使用していた拳銃<スミス&ウェッソン「M586」や、赤レンガ倉庫の解説もありです。
なんと言っても注目は、主演の舘ひろしさん、柴田恭兵さんを交えたSPECIAL座談会(前編)。7年ぶりに再会した二人と脚本家の柏原寛司氏、「暴走」の脚本を担当した丸山昇一氏、テレビシリーズや劇場版「またまたあぶない刑事」の監督を担当した一倉治雄氏の対談内容が5ページにわたり掲載されています。タイトルは、当初「刑事ワイルド&ルーズ」だったと言う話から始まり、同じ日本テレビの人気刑事ドラマだった「太陽にほえろ」とは違ったものをやるため、ドラマの方向性について苦労した話や、中条静夫さんが演じた近藤課長のキャラクター設定についてもかなり揉めたような話が書かれています。
当初の通り、近藤課長が頼りない狸親父の設定になっていたら、一体どんな風になっていたんでしょうね。テレビシリーズの最初のほうの話は、わりとオーソドックスなハードボイルドものと言う雰囲気があったし、近藤課長をはじめ、脇の刑事達も至ってまじめ風な印象でしたが、シリーズ中盤辺りから、脇の刑事達もどんどんコミカルなキャラ付けがされて、近藤課長もいつの間にか狸と呼ばれるようになっていましたよね。しまいには狸の置物までデスクに置かれる始末(笑)。その他にも興味深い内容が書かれていて、色々とそそる一冊となっておりました。
付属のDVDにも柏原、丸山、一倉、三氏の座談会が特典映像として収録されています。「救出」にゲスト出演した山田隆夫さんのインタビューもありました。ラストの赤レンガ倉庫のシーンの話では、恭兵さんの人柄が窺えるエピソードが紹介されています。これは、ファンのみならず、DVDを持っている人も、あぶ刑事をまだ知らない人も、これは「買い」ですね。
昨晩、テレビ朝日で先日亡くなられた地井武男さんの追悼特番が放送されていました。地井さんと言えば、やはり、『太陽にほえろ!』のトシさんや、『刑事貴族』のタケさんなどの刑事役のイメージがあるし、日本テレビのほうが地井さんとのつながりが強いと思っていた。しかし、最近は、テレビ朝日のほうで『ちい散歩』と言う紀行番組を6年間も続けていたそうです。テレ朝=地井さんのイメージがあまりなかったので、昨晩のテレ朝での特番は少し意外でもあったが、その番組があった関係で2時間以上の追悼番組が実現したようですね。残念ながら、大阪の朝日放送では、ちい散歩の放送はされておらず、こちらでは、知名度も低いようなのですが、昨日の番組を見ながら、地井さんの温かみのある人柄を知ることができ、涙させて頂きました。
番組では、地井さんの俳優時代のことも紹介されていましたが、そう言えば、地井さん主演の映画やドラマは、失礼ながら今まで見たことがない…。若い頃から犯人役などでの脇役のイメージがあるのですが、脇の中でも一際存在感があったし、確かになぜゆえに主演映画やドラマが少なかったのか、不思議でならない。『刑事貴族』のスピンオフとして、「タケさんの事件簿」ぐらいのものは、やって欲しかったなあ。地井さんもやはり、石原裕次郎さんに憧れて俳優になられたそうですが、『太陽にほえろ!』で裕次郎さんとの共演が実現し、太陽の最終回で、裕次郎さんの最後の出番となった取調べのシーンにも裕次郎さんとは直接のやりとりはなかったものの出演されていた。しかし、同じような刑事役が続いて、俳優を辞めようとした時期もあったそうです。確かに80年代は、刑事もの全盛の時代だったし、今のように漫画原作の1クールドラマもほとんどなかった。でもあの時、硬派なイメージがあった地井さんがそのようなドラマに出ていたとしても違和感があっただろうし、やはり、刑事役の地井さんを長く見られたのは、個人的には、とても良かったと思っている。
地井さんお別れの会の映像には、渡さんや舘さん、『北の国から』で共演した田中邦衛さんも映っていた。田中邦衛さんの顔を見るのは、ものすごく久しぶりな気がする。もうすぐ80歳になられるそうですが、また何かのドラマで拝見したいものです。水谷豊さんが挨拶される前に、「刑事貴族で共演された…」と進行役の方が言っていたが、おいおい舘さんもいるのに…。しかし、刑事貴族は、2、3のシリーズのほうが長かったし、地井さんと水谷さんは、刑事貴族以前からつきあいがあって、かなり仲が良かったそうですね。刑事貴族の撮影の時、若手の芝居が崩れてきた時に、「嫌われるかもしれないけど二人で言おうよ」と地井さんが提案し、二人で若手に話しをしてそれ以来、出演者とスタッフの結束が強くなったと言うエピソードを水谷さんが語られていた。確かに2の代官署の刑事達のチームワークは、テンポもリズムも良かったし、地井さん演じるタケさんものキャラも若手に混じって新たな領域に入っていたような感じがありました。
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