この前、バーン・ノーティスのシーズン4を見ていたら、バート・レイノルズが引退したスパイ役で出ていた。テレビで見るのは物凄く久しぶりだったが、すっかり白髪になって御歳を召された感じでした。あの濃かった胸毛は健在なのでしょうかね…。昔は、トム・セレックと見分けがつかなかった(苦笑)バート・レイノルズの出世作と言えば、「トランザム7000」シリーズ。ナイトライダーで使用されたトランザムよりも一世代前の、ボンネットにイーグルのマークをつけたトランザムが活躍するはちゃめちゃなカーアクションムービーだった。
スティーブ・マックイーンの『ブリット』から始まったカーアクションは、1970年代後半辺りになると、さらに過激さを増して、スタントマン達が命がけできわどいスタントを披露していた。スタントマン出身の監督ハル・ニーダムだけあって、カースタントは、見応え十分。ギャグ漫画のような追っかけ合い、予想のつかない展開に圧倒された。
トランザム7000の翌年に公開された『グレートスタントマン』もバート・レイノルズとハル・ニーダムコンビによる強烈なカーアクション映画だった。スタントマンの物語なので、トランザム7000よりもさらに過激にきわどいカーアクションが展開していた。この映画でも二代目の赤いトランザムが活躍します。小さな街の中で盛大に繰り広げられる爆破と破壊とカーアクション。猛烈な爆発の中を駆け抜け豪快な走りを見せるトランザム。西部警察でも煙突倒しがあったが、この映画では、トランザムが倒れる煙突の下をスピーディーに擦り抜けていくと言うカーアクション映画史に残る名シーンがある。もちろんCGではなく実写で撮影されているのでブッたまげた。ラストの渓谷越えの大ジャンプシーンは、後のナイトライダーのナイト2000を彷彿とさせるダイナミックな映像だった。若いスタントマン役でエアーウルフのジャン・マイケル・ビンセントが出演していた事も忘れられない。
ハル・ニーダムのもう一つのヒットシリーズが『キャノンボール』。やはり、この映画にもバート・レイノルズが出ていた。テレビシリーズ『チャーリーズ・エンジェル』で当時超人気だったファラ・フォーセットや、『007』シリーズの3代目ジェームズ・ボンドのロジャー・ムーア、本格的にハリウッドに進出し始めたジャッキー・チェンなど、当時の大スター達が勢揃いして繰り広げる空前絶後のカーレース映画。バート・レイノルズは、ここでもトランザム乗りかと思いきや、なんと救急車に乗っていた。ロジャー・ムーアは、劇中でも本人役で出ており、007のボンドカーと同じくアストンマーチンを運転していた。ジャッキー・チェンとマイケル・ホイは、なぜか日本人役で登場し、三菱のスバル1600でレースに参加していた。魅力的な車がたくさん登場していたが、一番印象に残ったのは、美女コンビが運転する黒いランボルギーニだった。後ろに乗る男が肥満体のため、画面に出る度ずっとウィリー走行し続けている二人乗りのハーレーダビッドソンには爆笑した。
他にも『メガフォース』や『ストローカーエース』など数多くのカーアクション映画を製作したハル・ニーダム監督が先頃お亡くなりになられたそうです。命をかけて勇気と情熱と笑いを注ぎ込んだ作品の数々、大いに楽しませて頂きました。こう言う大味なカーアクション映画は、最近は中々出てこないですが、ハル・ニーダムのような規格外の監督が再び出てきたら、アクション映画がまた盛り上がるでしょうね。ご冥福をお祈り致します。
ニコラス・ケイジ、ジェイソン・ステイサム、ブルース・ウィリス…最新映画でよく見かける顔ぶれですが、この人もよく見かけますねトム・クルーズ。ここ数年、ナイト&デイ、ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル、アウトローなど立て続けにアクション映画に出続けています。
トム・クルーズと言えばやはり、トップガンのマーベリックを真っ先に思い出します。日本でも大ヒットして、サントラも売れていました。商店街とか百貨店とか校内放送とかあちこちで流れていたのを覚えています。ケニー・ロギンスのデンジャー・ゾーンなんか今聴いても最高だし、イントロ聴いただけでF-14がアグレッシブに飛んでドッグファイトしている映像が蘇ってきます。一時期、続編の話もありましたが、去年の監督のトニー・スコットが亡くなってしまったので難しくなったかも。でももし、やるなら最新機を使って、またおもいっきり派手な空中戦を見せてもらいたいものですね。ただ、今だとCGだらけになりそうであれだけど…。さすがに訓練生の役は無理なので、おそらくトムは、航空戦訓練学校の教官役になってしまうのでしょうねきっと。そして新たなトップガンを育成する。つまり、世代交代ですね。かつて、ポール・ニューマンが映画「ハスラー」で若きビリヤードプレイヤー・エディを演じ、次作の「ハスラー2」でそのエディがトム・クルーズ演じる若きハスラー・ビンセントに自分のテクニックを教えたように…。
そんなトム・クルーズが「宇宙戦争」以来、久しぶりにSF映画の主演を務めた「オブリビオン」を拝見。西暦2077年、エイリアン・スカブが60年前に地球を侵略し、人類は、放射能汚染によって荒廃した地球を離れ、土星の衛星タイタンに移住した。元海兵隊司令官ジャック・ハーパーとヴィクトリア・オルセンの二人だけが地球に残り、偵察活動を続けていた。ジャックは、毎日同じ夢を見ていた。それは、ニューヨークのエンパイヤビルの展望台で美しい女性とデートしている夢だった。ある日、ジャックは、カプセルに乗っていた女性を救う。その女性は、夢で見た女性とそっくりだった。やがて、何者かに襲撃され、囚われるジャック。ジャックの前に現れたのは、マルコムビーチという名のレジスタンス軍の指揮官だった。そして、マルコムビーチから衝撃の真実が明かされる…。
これまでのこの手の映画と比べると、豪快なアクションシーンは、やや控えめ。丸型の無人偵察機ドローンとのバトルシーンは、中々派手で印象に残った。ドローンは、一見強そうで、人間を一瞬で消し飛ばしてしまうほどの武器を備えていて恐ろしいが、ロボコップのED209のような、変な愛嬌があるというか、不思議な存在だった。
監督がトロン・レガシーを作ったジョセフ・コシンスキーなので、映像は全体的に透明感があり、ハイクオリティで美しかった。メカのデザインも良いし、怪しい雰囲気のモーガン・フリーマンも良い、セットも作り込まれていて見応え十分。それにも増して、音楽が素晴らしかった。ブレードランナーのヴァンゲリスの楽曲を彷彿とさせる壮大さがあり、全編に渡ってとても聴き応えがあった。戦闘スタイルは、スター・ウォーズ、話の内容は、ブレードランナー、トータルリコールとか、既存のSF映画の要素をブレンドした世界観のように見えたが、話のオチも、やはり、既視感があるなあ(苦笑)。どちらかと言えば、ブレードランナー寄りなのかなあ。最後までせつない雰囲気が漂っていて、そこもまた良かったです。
機械生命体テットの正体は、結局謎のまま。テットって、喋るテディベアではなくて、エアーウルフのホークの愛犬のほうを思い出すから、別の名前にして欲しかったわ(苦笑)。でも、湖付近に建つ丸太小屋も出てくるし、変に接点があるんですよね…。しまいには、宇宙服着ているトムがホークに見えてくるし…(苦笑)。あと、バイクが2077年になってもまだタイヤつきなのには驚いたが(苦笑)、ホンダCRF450Xと言う日本製のバイクがベースになっているし、砂漠を走るシーンが雄大だったので、大目に見ます(笑)。トップガンの頃から随分と歳を取ってしまったトム・クルーズですが、まだまだアクションはイケますね。
刀を使って戦う映画で思い出すのは、『ブレイド』『キル・ビル』『リベリオン』『ラストサムライ』などハリウッド映画でも結構あります。最近は、海外ドラマでも『ウォーキングデッド』に登場する黒人の女剣士ミショーンが日本刀を使ってウォーカーをサクサク斬り殺しているし、あの『ナイトライダー』のマイケルだって刀を使って戦ったことがあったし…ともあれ、刀を使う作品を数多く見かけるようになりました。
ハリウッドの映画やドラマに出てくる忍者や侍の描き方って、ひと昔前は、へんてこりんで、日本文化の捉え方がかなり不思議な印象がありました。最近は、そのへんてこりんな印象を残しつつも、刀を使ったアクションは、かなり派手なものが増えてきたと思います。リベリオンにあった人の顔面だけを斬り落とすシーンは、最初に見た時は、かなり衝撃でしたね。CGが発達してからは、斬られた人の描写がかなりグロくなったと思います。普通に、首手足が切断されるし、血飛沫は、激しく飛び交うし、あらゆる角度から人の体を斬り込み、バラバラにしちゃうのもその手の映画では、もう日常茶飯事。ある意味ホラー映画を超えています。ウォーキングデッドのミショーンもウォーカーの首をサクッと斬りおとしていますが、日本刀ってあんなにサクサクと簡単に切れるものなんでしょうかね。ウォーカーの体は、腐ってるから、切れやすいのかもしれませんが。でも実際、切れ味は抜群らしいですね…。
1980年代にも『ブラインド・フューリー』など刀を使ったアクション映画がありましたが、これも隠れた名作。藤岡弘主演の『SFソードキル(1984)』。『仮面ライダー』でも知られる藤岡弘氏が単身ハリウッドに乗り込み、戦国時代のサムライを演じたSFアクション。日本人が主演するハリウッド映画なんて、最近では、あまり耳慣れませんが、なんと、藤岡弘氏は、この映画のために真剣を持ち込んで、本格的な居合いを披露している。ストーリーは、1522年にマカベ一族の武士タガ・ヨシミツが雪が降り積もる山中で敵の攻撃を受けて湖に落ち、氷漬けになってコールドスリープの状態のまま、400年後に発見される。ロサンゼルスの研究所に送られたヨシミツは、そこで蘇生実験を受けて見事に蘇る。ヨシミツは、研究所を抜け出し、未来の文化や異国の街並みに戸惑いつつも、女性ジャーナリストと心を通わせながら、街にはびこる悪党を次々と斬り倒していく。
真剣による殺陣は、オープニングでいきなり見ることができる。本物を使っているだけに、やはり互いの緊張感がよく伝わってきます。さすがに今の映画みたいな派手な鍔迫り合いや攻めぎ合い、刀を激しくぶつけ合いながらのスピーディーな立ち回りはないが、これぞ侍魂と言うか全てが真剣勝負。藤岡氏演じるサムライの存在感とハードな空気感が半端ない。最近は、日本人と称して中韓の俳優達がハリウッドの映画やドラマに出捲くっているが、これぞまさしく、ハリウッド製の日本映画って感じがします。あくまで自分の意見を押し通して自身の思い描いたサムライ像を演じ切り、ハリウッドのスタッフ陣を圧倒させた藤岡弘氏はやはり凄い。もっといろんな作品に出てもらいたかったですね。
さて、うち的に触れておかなければいけないのは、やはり、脇役の俳優さんについてです。ヨシミツと心通わせる女性ジャーナリストのクリス・ウェルズを演じていたジャネット・ジュリアン。この女優さん、どこかで見かけたことあるなあと思っていたら、『ナイトライダー』シーズン3の「凶悪バイク・ギャング!顔を消した男!!」に犯人の恋人ジョディ役で出ていたあの人でした。ヨシミツと白馬に乗ったり、時折、日本語を喋っていました。そして、医師のアラン・リチャーズを演じていたジョン・カルビンもナイトライダーの「幽霊殺人事件・謎のゴリラを追え!」や、エアーウルフのパイロットなど、当時の人気海外ドラマに数多くゲスト出演していた名脇役です。そう言えば、エイプリル役のレベッカ・ホールデンも日本に来て、草刈正雄と共演していたなあ。
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