10年の時を経て遂げたエボリューション!!
さぁ私のぼやきを聞いておくれ!
潜水艦の映画で真っ先に思い出すのは、『Uボート』。Uボートの場合は、ストーリーも中々面白かったですが、一番印象に残っているのは、あの雄大なテーマ曲のほうですね。何より、潜水艦映画で重要なのは、誰が艦長役を演じているか。これによって作品性が大きく左右されますね。
潜水艦映画と言えば、近年では、『レッドオクトーバーを追え!』や、『クリムゾンタイド』など90年代の作品が浮かぶ。レッド・オクトーバーを追え!で艦長役を演じたのは、007の初代ジェームズ・ボンド役のショーン・コネリー。あの白髪に白髭のコネリーの姿は、ボンド役やそれまでの映画ではなかったカッコ良さで、演技力も抜群だし本当にハマりにハマっていた。クリムゾンタイドの艦長役は、『フレンチ・コネクション』シリーズの粗暴な刑事役や、ポセイドン・アドベンチャーの牧師役などでも有名なジーン・ハックマン。この人は、スーパーマンシリーズのスーパーマンの敵役のレックス・ルーサーも物凄くハマリ役で印象に残っている。クリムゾンタイドでは、黒人の副長(デンゼル・ワシントン)と対立する艦長役を熱演していたが、少々荒っぽい感じがフレンチコネクションのドイル刑事を彷彿とさせ、個人的には、結構好きだった。
ここのところ潜水艦の映画を見るのはご無沙汰でしたが、最近また面白い潜水艦映画に巡り合った。それは、『ファントム/開戦前夜』。これは、実話に基づいて作られたもので、舞台は、米ソ冷戦時代の1968年。「ファントム」呼ばれる謎の装置と核弾頭を搭載したソビエト連邦の潜水艦がハワイ沖で消息を絶ち、アメリカ軍とソ連軍がその潜水艦の発見を巡って、最大の熾烈な情報戦を展開させる。ソ連の旧式の潜水艦B-67の指揮をするデミトリー・ズボフ艦長を演じるのは、エド・ハリス。エド・ハリスと言えば、『ライトスタッフ』の宇宙飛行士役や、ジェームズ・キャメロンが監督した『アビス』の油田発掘調査員の役などが印象に残っているが、そう言えば、アビスも核弾頭を積んだ潜水艦を巡る話でしたね。エドが主人公を演じ、海底奥深くに沈んだ潜水艦を見つけ出して、その海底に住み着くエイリアンと遭遇するといった内容だった。アビスは、丁度ビデオレンタル屋に通い始めて、最初の頃に借りて見た作品なので、個人的に思い出深い作品でもあるのですが、ファントムで艦長役を演じているエドを見ると、どうしてもアビスの映像が脳裏に浮かんでしまいます。
エドが演じるデミトリー艦長は、それまでの潜水艦映画の艦長役とは違って、極めて物静かでシブい。艦内には、試作装置『ファントム』の実験のために、ブルニーという名の謎の技術者が乗り込んでいるが、ブルニー役を演じているのは、『X-FILE』シリーズのデヴィッド・ドゥカヴニー。このブルニーが中々の曲者(実は、情報機関KGBの特殊部隊『オズナ』のメンバー)で、ファントムを巡ってデミトリーと激しく対立します。ファントムとは、別の船の音波を模倣して敵のソナーを欺く装置のことで、B-67がアメリカの原子力潜水艦と遭遇した時に、ファントムを使用して見事に危機を乗り切ります。その実験の成功を知ったブルニーらは、ソ連に覇権を握らせるためにB-67を中国艦に見せかけて核弾頭で太平洋艦隊を攻撃し、アメリカと中国との核戦争を誘発させることを計画する。
ブルニーらの目的を知ったデミトリー達は、必死に抵抗し、核弾頭の発射を阻止しようとします。クライマックスでは、敵の魚雷攻撃を受けている中、艦内では、デミトリーとその部下の乗員達と、ブルニーらKGBとの激しい死闘が展開し、ラストは、Uボートを彷彿とさせるような悲しい結末が待ち構えているのですが、エド艦長の演技は最後まで緊迫感があり見応え十分で、最近では、かなり良質で硬派な潜水艦映画でした。いつか、ロバート・デ・ニーロやシュワちゃんの艦長役も見てみたいですね(笑)。
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1977年に巻き起こったスーパーカーブーム。残念ながらその時まだ小さかったのでそれを体感することはできなかったのですが、カウンタックやポルシェなどのミニカーや消しゴムなどは一杯持っていましたね。『キャノンボール』を初めとしたはちゃめちゃレースものは、日曜洋画劇場などテレビの映画放送枠でよく見ましたが、当時のスーパーカーブームの一端が見られる作品と言えば、まず『ジャッカー電撃隊』。ジャッカーは、現在スーパー戦隊シリーズの一作品として加えられていますが、当時はまだゴレンジャーに続く石森章太郎のヒーロー作品の一つと言う認識でした。そのジャッカーが乗るマシーンにもスーパーカーブームの多大な影響を見ることができます。
スペードマシーンのベースは、イタリア車のフィアット・X1/9。車体前部にミサイル、リトラクタブルライトの部分に20ミリ機関砲を仕込むなど、かなりダイナミックな改造が施されており、特撮ヒーローの車両の中でも強烈な印象に残した車でした。街中を派手に走り回る姿が圧巻でしたね。そして、ジャッカーには、当時人気だったスーパーカーが勢揃いするエピソードがありました。それは、7話の「8スーパーカー!! 超速300キロ」と、14話「オールスーパーカー!! 猛烈!! 大激走!!」。
「8スーパーカー!! 超速300キロ」には、フェラーリBB・ランボルギーニミウラ・ランボルギーニウラッコ・ポルシェ930ターボ・マセラッティメラク・ロータスヨーロッパなど、錚々たるゴージャスなスーパーカーが登場する。敵に乗っ取られたフェラーリBBが公道をブッ飛ばす場面などが見られます。「オールスーパーカー!! 猛烈!! 大激走!!」には、ポルシェ930ターボをはじめ、10台近くのスーパーカーが登場し、実際に公道レースが展開します。レース中にスペードマシーンが割り込んだり、終始スーパーカーたちの華麗な走りを見ることができます。
スーパーカーブームの火付け役になった映画と言えば、やはり「サーキットの狼」。週刊少年ジャンプに連載されていた漫画の実写版で、カウンタックやフェラーリ、ランボルギーニ、BMW2002ターボなどのたくさんのスーパーカーと、元F1ドライバーの中島悟など有名なレースドライバー達が数多く登場した作品です。主人公の風吹裕矢はロータス・ヨーロッパに乗り、公道で荒々しいカーレースを繰り広げていますが、中でも警官の沖田(矢吹二朗)が乗るフェアレディZのパトカーと、ロータスの公道レースは迫力があった。鍵十字のマークをつけたスーパーカー軍団が新宿都心の公道を走り抜ける映像は壮観。首都高でのレースシーンなども見られますが、それにしてもあの時代は、日本の公道でもかなり自由に撮影ができたんですな・・・(汗)。
他にも、『007は二度死ぬ』のボンドカーとして使用されたトヨタ2000GTや、バート・レイノルズが主演した『トランザム7000』シリーズなどでも活躍したポンティアック・ファイヤーバード・トランザムの1970年代モデルなど、当時の人気車が続々出ていました。サーキット場でのレースシーンには、イタリア車のデ・トマソ・パンテーラも出ていたが、パンテーラと言えば、刑事ドラマの『大追跡』「暴行魔W」や、『西部警察』「殺し屋参上」にも登場して、公道で迫力のある走りを見せていましたね。またこんな熱狂的なブームが来て欲しいものですが・・・。
近頃スカパーのザ・シネマは、なつかしの名作映画の日本語吹替え版が充実していて中々嬉しい。今年一作目が公開30周年を迎えたグレムリンシリーズや、ビバリーヒルズコップシリーズ、新作が撮影中のスターウォーズシリーズなど、なんとも豪華なラインナップ。ただ、スター・ウォーズに関しては、ルーク・スカイウォーカーが主人公の4作目から6作目に当たるタイトルは、テレビでよく見た吹替え版(ルーク=水島裕、ハンソロ=村井国夫、C-3PO=野沢那智他)のほうもぜひ放送して欲しい。ルーク役のマーク・ハミルや、ハンソロ役のハリソン・フォードらは、新作にも出演するそうだが、ハリソン・フォードが撮影中に怪我をしてしまったらしく、今後の撮影の動向が気になるところ。
スター・ウォーズよりもずっと前にテレビで放送され人気を博したSFドラマの古典「スタートレック」の劇場版も、なんと全11作の字幕版と日本語吹替え版が連日放送されていた。スタートレックは、1966年に放送された最初のテレビシリーズを見た程度で、以後のシリーズは、残念ながらほとんど未見だが、劇場版のほうは、昔何本か見た記憶がある。スタートレックと言えば、去年、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』と言うタイトルの新作が公開されたが、それ以前に11作も劇場版が作られていたことに改めて驚いた。日本でも依然人気があるようで、スパドラでは、今もテレビシリーズが再放送されているが、当然ながら本国では、それ以上に根強い人気があるようですね。劇場版をもう一度見直してみようと、さっそく録画をしたが、他の見たい番組と時間が重複することもあって、結局6作目までしか録画できなかった。しかも5作目は、確認してみたらニュース番組が映っていて、録画に失敗。今のところ見られたのは、1から4作目までだが、今のCG表現のスタトレとは違うSFX(特殊撮影)満載の映像が懐かしくもあり、改めて見ると中々迫力があった。
4作の中で一番印象に残ったのは、スポック役のレナード・ニモイが監督を務めた『スタートレックⅣ 故郷への長い道』。クリンゴン人との激しい戦闘の末、エンタープライズ号を自爆させてしまったカーク提督らは、スポックの故郷であるバルカン星に身を隠す。その頃、地球には、謎の探査船が接近し、その探査船から出ている強力な電波によって、地球の大気がイオン化し、全システムが停止してしまう。探査船の目的がザトウクジラであることを知ったカークらは、再生し記憶を取り戻したスポックと共にクリンゴンの戦艦に乗り込んで20世紀末の地球にタイムワープし、絶滅前のザトウクジラを連れ帰ろうとする・・・。
3作目までは、エンタープライズ号による宇宙での激しい戦闘がメインだったが、この4作目は、1986年のサンフランシスコが舞台となっており、カークらが宇宙ではなく、20世紀の地球で活躍する劇場版の中でも一際コミカルなストーリーになっていた。20世紀の世界にうまく順応できず、戸惑いながらも、全力でクジラの保護に勤しむカークらの姿が面白く、派手な戦闘シーンはないものの逆に新鮮さがあった。水族館の水槽の中にいるクジラと一緒に泳ぐスポックの映像は中々インパクトがありました(笑)。
『スタートレックⅢ ミスター・スポックを探せ!』には、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのドク博士役などでもお馴染みのクリストファー・ロイドがクルーグ艦長役で出演していた。また、『ロボコップ』のモートン役などでも有名なミゲル・フェラーも出ていたり、改めて見直すと意外な俳優がこのシリーズに出演していたことにも驚きます。そして、チョイ役でしたがこんな人も・・・。
どこかで見たことがあると思ったら、
『ナイトライダー』の「死線48時間リミット寸前!決死のレールウェイ大走破!!」や、『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』の「F4ファントムの猛攻をかわせ!! 南米騒乱脱出行」などにゲスト出演していたマリオ・マルセリーノと言う俳優さんですね。そう言えば、『新ナイトライダー2000』にスタートレックでスコッティを演じたジェームズ・ドゥーアンが本人役でゲスト出演していた。初見時は、なんでナイトライダーにいきなりスタトレの人が本人役で???と思った。しかも劇中でスコッティと呼ばれていたし・・・。もし、これがテレビシリーズ化されていたら、死んだデボンの代わりにスコッティをレギュラー出演させるつもりだったのでしょうかね(苦笑)。
この間イマジカBSでイタリアのホラー監督ダリオ・アルジェント作品の特集放送があった。有名な『サスペリア』を初め、監督初期作の『歓びの毒牙』や『わたしは目撃者』なども放送されていて、中々見応えがありました。
『歓びの毒牙(きば)(1969)』は、ダリオ・アルジェントのデビュー作。ローマに旅行中の米国作家サムは、夜、画廊で殺人事件を目撃する。黒いコートを着た人物が女性の腹部をナイフで刺して逃走した。女性は、画廊の経営者ラニエリの妻・モニカで、彼女は、一命は取り留める。サムは、犯人として疑われるも、この事件に興味を抱き、犯人捜しを開始する。モニカは、ローマで多発しているブロンドの女性ばかりを狙った連続殺人事件の4人目の被害者であった・・・。
アルジェントの代表作の「サスペリア2」や「シャドー」を先に見てしまっているので、これらの作品の後にこれを見ると、なんだか既視感があり、不思議な感覚になってしまった。つまり、デビュー作からすでに後の作品の骨格となる要素が詰め込まれていたということなのでしょうね。後の作品よりも残酷描写は少なめで、アルジェント映画の定番のゴブリンの音楽もまだありませんが、この映画の音楽を担当しているエンニオ・モリコーネのジャズ風の音楽もしびれるし、冒頭のガラスを使った殺人シーンなど、アルジェント独特の殺人描写も秀逸で面白かった。ただ、映像がデジタル・ニューマスターのDVD画質で画面が奇麗になりすぎて、アルジェントの映画が持つ不気味な雰囲気が半減してしまっているのが少々残念。綺麗な映像で見られるようになったのは良い事だけど、やはりアルジェントの映画は、多少色褪せていていかにもフィルムっぽい映像のほうが刺激的だと思う。
『わたしは目撃者(1971)』・・・元新聞記者の盲目の老人フランコ・アルノは、夜、姪のローリーと外を歩いていた時、車の中で言い争っている男の声を聞く。フランコは、ローリーにその男の顔を見るように指示する。遺伝子研究所に何者かが侵入し、所員のカラブレジ博士がプラットホームから突き落とされて殺される事件が起きる。新聞でカラブレジ博士の写真を見たローリーは、言い争っていた男がカラブレジ博士であることを知る。フランコは、記事を書いた新聞記者ジョルダーニに会い、落下の瞬間を撮影したカメラマンのリゲットと接触しようとする。
アルジェントの2作目の作品で、デビュー作の歓びの毒牙よりも残酷描写は少なく、ごく普通の推理系のサスペンス(ジャッロ)映画だったが、カラブレジ博士がプラットホームから落ちて列車に跳ねられる瞬間などの殺人シーンのインパクトは絶大で衝撃的。前作に続いて、音楽は、エンニオ・モリコーネが担当しているが、いまいち印象は薄い。老いた盲目の元新聞記者と若い新聞記者がコンビを組んで事件を解決するのは、今見ると目新しい感じがした。中盤には、アルジェント映画では珍しい市街地を激走するカーチェイスシーンが見られる。殺人事件の動機となる遺伝子絡みの話も中々興味深かった。
『シャドー(1982)』・・・ニューヨークの推理小説作家ニールが新作「暗闇の祈り」の宣伝の為にローマにやってくる。丁度その頃、若い女性が自宅で何者かに剃刀で喉を斬られて殺される事件が起きる。殺害現場に「暗闇の祈り」が散乱していたことや、殺害の手口が小説と同じである事がわかり、ニールは動揺を隠せない。そこへさらなる殺人予告の電話が鳴り響く。予告の通り、文芸記者のティルデと同居人のマリオンが小説と同じ手口で殺され、ニールの元に脅迫状が届く・・・。
「サスペリア」や「インフェルノ」など、サスペリア三部作の後の本作は、アルジェントの本気炸裂といわんばかりの過激な殺人描写がオンパレード状態。一応、スタンスとしては、わたしは目撃者と同じく推理系のサスペンスになっているが、当時「13日の金曜日」など殺人鬼ものが流行していたことも影響してか、殺人描写はよりエキセントリックに、より強烈なものになっている。学生の頃、地上波の深夜放送を見て(当時はこういうホラーものも普通に地上波で見ることができた)、もう一度ビデオレンタルをして見た作品なので、アルジェント映画の中では、もっとも思い出深い作品。
今回が四度目ぐらいの鑑賞になるが、最初に見た時感じた恐怖がじわーっと蘇ってきた。やはり、ティルデとそのレズビアンのマリオンの殺人シーンが圧巻。ゴブリンの不気味な主題曲が流れる中、ティルデの自宅を下から上の階へ、そして屋根から侵入口をなめまわすように1カットで撮る犯人視点のカメラワークが斬新かつスリリング感たっぷりで何度見ても面白い。ニールの婚約者のベロニカが突然腕を切られて、腕から飛び出る鮮血で白い壁を染めてゆく場面も強烈。やはり、アルジェント映画にゴブリンの音楽は欠かせないことを再確認させてくれる映画ですね。
鮫のパニック映画と言えば、古くは、ロイ・シャイダーの「ジョーズ」シリーズが有名ですが、「ディープ・ブルー」と言う映画もありましたね。自分の中では新しいものと思っていたが、この作品もかれこれ15年前の作品なんですよね。21世紀になってからも鮫映画は、数多く出てきていますが、最近見て面白かったのが「パニック・マーケット」。
鮫に襲われて親友を亡くしたジョシュは、傷心が拭えずライフセーバーの仕事を辞めて、海岸近くにあるスーパーマーケットでアルバイトを続けていた。そこへ突如、二人の強盗が侵入し、覆面をかぶった男が女を射殺、ジョシュの元恋人のティナを人質に取る。スーパー内が緊迫する中、海岸沖で巨大地震が発生し、それによって発生した大津波によって海岸沿いの街が津波に飲み込まれる。スーパーマーケットの中にも大量の水が流れ込み、買い物客達を押し流した。生き残った者は、スーパーの陳列棚の上にのぼって非難するが、なんと店の中には、大量の水と共に流されてきた巨大なホオジロザメの姿があった・・・。
強盗事件発生真っ只中のスーパーマーケットの店内に大津波の大量の水と鮫が流れ込んできて、生き残った買い物客達は、殺人強盗犯と人食いザメとの2つの恐怖に怯えながら、店内からの脱出を試みると言うダブルパニック映画です。シチュエーションは中々面白いし、スーパーの密室空間の中を鮫が泳ぎ回る設定が斬新。水に埋もれたスーパーの店内に取り残された人間達がどのようなスリリングなサバイバルを繰り広げるのか。海岸に巨大津波が押し寄せて、海岸沿いの街が浸水する場面は、CGながらも中々の迫力。あれほどの水が街に流れ込んだのに、スーパーの地下駐車場が完全に水没していないのは不思議だったが、その辺は大目に見るとして、やはり、メインは、生き残った人間達と鮫との格闘。
もしあんな状況になったら殺人強盗犯のことなんて誰も気にしないよな・・・。犯人だって命の危険があるわけだし、素面で強盗を働こうとしていたドイルなんかは、いつの間にか生き残りの客達と馴染んでいたし。人を殺したほうの強盗犯は、覆面を被っていたので、誰も素顔を知らないし、客の中に紛れ込んでいても、まっ、いいか的な感じで有耶無耶になるのかと思ったが、ちゃんとケリがついていたのでそこはスッキリして良かった。途中、店の天井に設置されていた高圧電線が垂れ落ちてきたり、逃げ場が封じ込められていくお約束な展開もあり、期待を裏切らない。
その電気を止めようとブレーカーがある倉庫へ向かうために、ティナの恋人のスティーブンが買い物籠など間に合わせの材料で作った防護スーツを身にまとって水の中に入るのだが、ブレーカーって水に浸かっても機能するものなのだろうか?・・・もう一歩というところで命綱兼酸素吸気用のホースの長さが足りず、スティーブンは、口に加えていたそのホースを自らはずしてブレーカーを落としに行くのですが、なんと、間に合わせで作った防護服の頭の部分が邪魔になって水の中から出ることができず命を落としてしまいます。ここだけ、感動巨編のドキュメントのような演出だったが、あの防護スーツを着たままの姿だとなぜだか笑いがこみ上げてしまった(汗)。
スーパーの地下駐車場で生き残ったカップルは、お笑い要因なのか、水に浸かった車の中に閉じ込められたまま色々話し合っているのだが、いかにもこの手の映画にありがちなバカップルという感じ。水に浸かっても車のルーフって開くもんなんだな・・・ってこれもブレーカーと同じ疑問を持った(笑)。カップルが車から脱出して移動する時に、男が鮫を引き付けるために、恋人の女が飼っている犬を水の中に放り込むのだが、これは酷い!と思っていたら、案の定その男は鮫の餌食に。想像できたが笑えた。
グロ描写は、かなり多かったが、やはり一番印象に残ったのは、スーパーの店長が換気ダクトに入り込もうとしたら、ダクトの中にいた大量のカニに襲われた挙句、飛び掛ってきた鮫に下半身を食われてしまう場面。まさか、ダクトの中にカニとは。しかもあんなに大量に。なんであんなところにいたんだ。これは想像がつかなかった(笑)。
これまで数多くのゾンビ映画を堪能してきましたが、探せばまだまだいろんな名作があるもので、スカパーなどで自分が生まれる前の古い名作を偶然見かけたりすると、気になってついついチェックしてしまう。この作品もその一つでタイトルは、『ゾンビ特急地獄行き』。タイトルを見ただけでもうかなりそそられてしまうのですが、1972年にイギリスとスペインが共同で製作した映画で、「007 黄金銃を持つ男」のスカラマンガや、数多くの怪奇映画に出演したクリストファー・リーと、同じく怪奇映画に多数出演し、「スター・ウォーズ」のターキン総督を演じたピーター・カッシングが主演を務めている。
1906年、イギリスの地質学会が中国の四川省で氷漬けの類人猿の化石を発見した。化石をイギリスへ輸送するため、アレキサンダー・サクストン教授らは化石と共にシベリア大陸横断特急に乗り込んだ。だが、雪原を走る列車の中で次々と奇怪な殺人事件が起きる。殺された人達は皆、白目を剥き、鼻や口から血を出して失血死していた。それは、両眼を赤く光らせて人々を殺す怪物の仕業であった。サクストンらと同乗していたミロフ警部によって怪物は銃殺され、事件は解決したかに見えたが・・・。
ジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」よりも前の作品なので、ゴア描写はさほど激しくもないし、今のウォーキングデッドなどと比べると、ゾンビ映画と言うには少しぬるい印象もありますが、甦った怪物が暗闇で蠢くところは薄気味悪く、怪物にとりつかれた人間達が目を赤く光らせるところは、ターミネーターを彷彿とさせ、その赤い目を見た人間達が白目を剥き、血を吐いて倒れる死に様は、滑稽にも見えるが不気味。列車の走行シーンは、その大部分がミニチュアを使った特撮のようですが、走行中の列車の中という逃げ場のない密室空間が舞台になっているところがよりサスペンス性を生み出していて、シチュエーション的にはかなりグッド。
列車の中で死体を解剖するシーンがあり、ウェルズ博士が白目を剥いたままの人間の頭を切開するのですが、露になった脳みそが真っ白につるつるになっているところも薄気味悪い。劇中のセリフでは、その感触は、「赤ん坊のお尻みたい」なものらしい。もしかしてプリオン系の感染?かと思ったがどうやらそれは違ったみたい。怪物は、人間の網膜から記憶を盗み出して、その記憶を選別し吸収してかしこくなっていくそうな。しかし、いまいちその設定が活かされていなくて消化不良に終わったのが残念。
後半に入ると、コサック隊が列車に乗り込んでくるのですが、その隊長・カザン役を演じているのがテリー・サバラス。007のブロフェルド役や、テレビドラマ「刑事コジャック」などで有名な大物俳優だけに、どんな活躍をするのかと思いきや・・・かなり荒々しい雰囲気の男のようでそこそこ存在感はあったが、結構あっさりと怪物にやられてしまい意外でびっくりした。そのカザン隊長よりも後半に目立つのがプジャルドフ神父。ウェルズ博士が化石から切り取った目を持ち歩いたり、ミロフにとりついた怪物に、「怪物よ私に乗り移れ」とセリフを吐く場面は、エクソシストを彷彿とさせられたが、考えてみるとエクソシストよりもこちらのほうが古い作品なんですよね(汗)。異星人が人間の体に憑依していく作品は、後の「ヒドゥン」などにも受け継がれていましたが、プジャルドフ神父がラスボスと化して、死んだ人間達を一斉にゾンビ化させる展開は、中々見応えがあった。で、結局化石の正体は、宇宙人なのかゾンビなのか・・・「宇宙ゾンビ」と捉えておくほうが無難か(苦笑)。
飛行機の中で暴れるゾンビは、「ワールドウォーZ」や、「デッドフライト」などで描かれていたが、走行中の列車の中のゾンビは、ゲームでしか見たことがないのでわりと新鮮に見えた。しかし、この日本語タイトルをつけた人は、物凄くセンスがありますね。原題の「Horror Express」もわかりやすくて良いが、日本題のほうがとてもインパクトがあって、まんまと乗せられてしまった(苦笑)。
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