アークエンジェルが活躍するエピソードで一番印象に残った回は、シーズン2の「ミグ25を撃墜!!マグデンブルグ城攻防戦(FALLEN ANGEL)」。東ベルリンで消息を絶った元恋人マリアを探すため、東ドイツに自ら乗り込む。アークエンジェルが活動的な一面を見せ、また激しい拷問を受けるショッキングな回でもあった。このエピソードでは、冒頭の映画の撮影のシーンで、ホークとドミニクが乗っていた三葉機が墜落して二人が大怪我をしたり、ドミニクの代わりにケイトリンが副操縦士として初めてエアーウルフに乗り、ホークと共にテスト飛行をするも、ADFポッドランチャーを下ろさずにミサイル発射ボタンを押してしまうなど、アクシデントが続出する珍しいエピソードでもあった。
もう一つは、アークエンジェルが突如砂漠で姿を消した「対決シーハリアー戦闘機!! CIA降下部隊城砦へ突入せよ(THE FORTUNE TELLER)」。アークエンジェル達が極秘に進めるプロジェクト・コードネーム「フォーチュン・テラー(預言者)」。フォーチュン・テラーとは、敵機の攻撃と防御の動きを分析し妨害できる戦闘回避システムと自動操縦システムを併せ持つハードウェアのこと。それを狙う武器商人ストーナーがアークエンジェルを拉致して、彼からその情報を入手しようとする。
ここ数年日本で騒がれているオスプレイ(V-22)は、垂直離着陸機として有名ですが、世界初の垂直離着陸攻撃機としてイギリスで開発されたハリアーをベースに作られたシーハリアーが登場して、エアーウルフと接戦を繰り広げたことでも有名なエピソードです。ところが、クライマックスでストーナーが乗り込む航空機は、実際はシーハリアーではなく、T-38タロンと呼ばれるアメリカが開発したジェット戦闘機。しかも、このT-38は、垂直離着陸機ではなく、普通の双発機だった。どう言う理由で日本では、シーハリアーになってしまったのでしょう。劇中でT-38が垂直離陸する場面があるので、単にシーハリアーと勘違いした?のか、垂直離陸しているからシーハリアーと言う設定にしてしまえ!と勢いあまって嘘をついてしまったのか真意は不明のままです。サブタイトルにまで「シーハリアー」って銘打っちゃってるから話題性を狙ったのかな…??
この話の中でもアークエンジェルは、激しい拷問を受けています。パイロットの話では、負傷し、2度に渡って拷問を受けるなど、なぜだか痛い目に遭うことが多かったアークエンジェル。アークエンジェルを演じたアレックス・コードは、今年80歳。エアーウルフ出演時、すでに50代だったんですね。乗馬をしている姿がとても凛々しくてカッコ良い俳優さんですが、最近は、映画やドラマには出演していないみたいですね。ドミニク役のアーネスト・ボーグナインは、亡くなる前までREDなど大作映画に出演し活躍されていたが、もしエアーウルフが何らかの形で復活する時が来たら、ぜひまた顔を見せてもらいたいものです。
と言うことで、今回は、『荒野のガンマン!!エアーウルフ被弾して黒煙を噴く(ANNIE OAKLEY)』を拝見。CIAが開発したコードネーム「マングース」と言う名のレーザー兵器が何者かに奪われ、アークエンジェルから依頼を受けたホーク達がマングースの奪還に向かう。オールド・シルバー・シティで開かれていた「ワイルド・ウエスト・ショー」と呼ばれるスタントショーの場で犯人達と接触するため、ホークは、女性スタントマンのアニー・オークリーに近づく…。
レーザー兵器にまつわるお話と言えば、ナイトライダーでも怪しげな忍者風の犯人達がレーザー兵器を使ってキットを破壊しようとする話がありましたが、エアーウルフもまた、マングースによって、大きなダメージを受けてしまいます。とかくSFチックなこの話ですが、ドミニクが結構活躍しています。まず、「ワイルド・ウエスト・ショー」にホークとドミニクが参加する場面。カウボーイの格好をした二人が西部劇の建物のセットの2階で激しい殴り合いをした後、ホークが落下すると言うスタントを披露する。そう言えば、サンティーニ航空は、ヘリでの運搬業務の仕事以外に、スタントマンの仕事もやっていましたね。シーズン2の「ミグ25を撃墜!!マグデンブルグ城攻防戦」の話の冒頭では、映画の撮影でホークとドミニクが乗っていた三葉機が飛行中にトラブルを起こして、小屋に突っ込み、二人は、あわや墜落死寸前だったが、今回は、ドミニクが段取りを間違えてホークを傷だらけにしていた。この場面のボーグナインは、ワイルドバンチのダッチを彷彿とさせる出で立ちだった。
ショーの小道具であるガトリングガンの修理を隠れ蓑にして、荷台にマングースを積んだトラックを走らせるラーソン。ドミニクは、車でそのトラックを追跡するが、ラーソンに気づかれ、ライフルで車のタイヤを撃ち抜かれてしまう。ドミニクの車は、道路脇の急勾配を勢いよく落下して横転し、大爆発…。しかし、爆発する前にちゃんと逃げ出していました。さすが不死身のドミニクです。
カール達が乗るトラックを追跡するため、ホークはバイクに乗り、ドミニクは、基地に向かってエアーウルフを操縦し、現場へ急行する。シーズン1の時は、引き込み脚を出さずに着陸しようとしたり、かなり老いが目立っていたドミニクですが、この頃になると、余裕綽々でエアーウルフを飛ばしています。カールがマングースで、ホークのバイクを狙い撃ちしますが、大ジャンプをキメて見せたり、華麗にレーザーを避けまくっているホークの運転テクニックが凄い(笑)。そして、そこへやってきたエアーウルフ。ドミニクは、脅かし程度にチェーンガンをトラックの後方に向けて連射しますが、その威力が半端ありません(苦笑)。
エアーウルフがカールのトラックに接近した時、マングースから放たれたレーザーがエアーウルフの右側のチェーンガン付近に当たる。サブタイトル通り、エアーウルフは黒煙を噴きながら、一時撤退。カールがエアーウルフに気を取られているうちに、ホークのバイクがトラックに近づき、ホークがトラックの荷台に乗り込んでカールと一戦交える。ドミニク、久々にやっちまったって感じですね。スキャナーと両方のターボが使えなくなってしまって、結構ピリピリムードになっていました。まあ、その後、ホークがエアーウルフを操縦し、見事レーザーを避けきってトラックの国境越えを阻止しましたから、結果オーライってことでしょうか。
この回のドミニクは、わりと見せ場が多くて良い感じでした。カール達のトラックをホークがバイクで追跡しているシーンでかかっているシルベスター・リーバイのBGMが凄く場面にマッチしていて良かった。
で、今回、久しぶりにそのDVDで、「ホーク絶体絶命!! 車椅子の登山隊決死の救出作戦(TRACKS)」を見た。ベトナム退役軍人で、足の悪い身障者のグループが車椅子で標高3000mのサンジャシントウと呼ばれる山をのぼることになり、ホーク達がそのグループのガイド役をつとめると言うお話。ホークの案内によって、6人のグループは、見事山の頂上で上ることに成功するのだが、その山には、クレイジーな男(キャットマン)が住み着いており、その男は、山に近づく者をクロスボウで片っ端から撃ち殺していた。男は、山猫の研究者らしいが、山猫を想うあまり、人間狩りのハンターになってしまったようだ。ホークとグループは、その男に遭遇し、命を狙われ、ホークも撃たれて、大転倒して大怪我を負ってしまう。傷ついて身動きが取れなくなったホークの危機を察したドミニクとケイトリンがエアーウルフで救出に向かう。
シーズン3の最終話前のエピソードで、リアルタイムで見た時は、色々と疑問を持ったエピソードでしたが、今見ると、さほど違和感はなかった。リアルタイムで見た時は、一人の山猫研究者を倒すためだけにわざわざエアーウルフを使う必要はあるのか?(苦笑)と言う率直な疑問があったのですが、まあ、わりと大きな山のようであるし、普通のヘリで捜索するには、確かに時間がかかるし困難な場所だから、エアーウルフの機動性や性能が十分に役に立つ。ドミニク達は、結構素早くエアーウルフを持ち出してきて、サンジャシントウの上空を飛んでいたが、秘密基地は、そんな近い場所にあるのか?と、当時は、そんな疑問も持ちながら見ていた(苦笑)がそこは、ご愛嬌。
6人とも足が悪いので身動きが取れず、さらにホークも深手を負って、キャットマン一人に太刀打ちできないと言う危機的状況の中、エアーウルフが現れて、逃走するキャットマンに向かってチェーンガンをズバスバと連射する。この辺りは、日本のヒーローものとか時代劇などと同じ、所謂お約束な展開であり、一人の生身の人間相手にチェーンガンはねーだろ(笑)、と前はそう感じたが、ゲームの世界みたいにクロスボウでサクサク人殺しするクレイジーな奴だから、威嚇程度の射撃なら問題なし。
大掛かりな作戦も戦闘シーンもなく、エアーウルフの中では、とりわけ地味なエピソードで、昔は低く評価していたけど、見直してみるとわりと楽しめました。今の海外ドラマは、OP、ED込みでも43分ほどしかないけど、エアーウルフの時代は、一本辺り47分ぐらいは、普通にありましたよね。改めて最近の海外ドラマの時間の短さを痛感した。
日本版のナイトライダーの最終話は、主演のデビッド・ハッセルホフの要望を取り入れたのかどうかは知らないが、マイケルがナイト財団を辞めることを決意し、元恋人のスティービーと結ばれて新たな人生を切り開こうとする話(「復讐の鎮魂歌・さらばナイト2000(SCENT OF THE ROSES)」)だったが、このエピソードは、本国では、シーズン4の中盤辺りで放送されている。放送順に関しては、何かと混乱が絶えなかった日本のナイトライダーの放送ですが、このストーリーを最終話に持ってきたことに関しては、やはりスタッフのセンスがとても素晴らしかったと思います。
さて、エアーウルフの場合ですが、エアーウルフもまた本国通りの放映順ではなかったが、水曜夜9時のゴールデンタイムに放送されたエピソードは、シーズン3とシーズン4がメインで、ストリング・フェロー・ホークを主人公としたシリーズの最終話として、「熱闘空中戦!!新型ヘリA16を撃墜せよ・湖に落ちた美女の謎(THE GIRL WHO FELL FROM THE SKY)」が放送された。この話は、湖に落とされて記憶を失った女性の謎をホークが解き明かそうとするごく淡々とした内容だった。ちなみに本国での最終話は、「怪人ヒューイ戦闘ヘリ!! ベトナムから来た極楽の鳥(BIRDS OF PARADISE)」で、この話には、ホークの息子と思われるリーが再登場している。ホークとリーが行方不明になったリーの叔母のミンを探すと言うストーリーになっていたが、本来ホークが目的としていたベトナム戦争で行方不明になった兄のセント・ジョン・ホーク探しの結末は描かれず幕を閉じた。
ところがシーズン4の初回でいきなり行方不明だったジョンが見つかり、ドミニクは唐突に死を遂げ、ホークは瀕死の重傷を負いつつも、ジョンと奇跡の再会を果たすと言う極めて仰天なエピソードが展開された後、主人公は、ホークからジョンにバトンタッチして、レギュラーメンバーも一新された。日本では、ジョン編は、『新エアーウルフ復讐編』と言うタイトルで放送されたが、その最終話は、「人工知能恐怖の反乱!!ターボ全開電子の要塞へ空中騎兵突入せよ(THE PUPPET MASTER)」だった。CIAのロックがロバートソン博士の洗脳手術を受けて、エアーウルフを奪い去るという内容だったが、最終話としては、インパクトが薄いエピソードだった。ちなみにシーズン4の本当の最終話は日本では放送されなかった。
しかし、4年前にスーパードラマTVで、『新エアーウルフ復讐編』が本国の放映順で完全放送され、その時初めて最終話にあたる「WELCOME TO PARADISE」が放送された。 その時に「楽園の上空に散る哀歌!!エアーウルフ最終発進」と言う日本題のサブタイトルもつけられている。当然ながら吹替えはついておらず字幕スーパーでの放送だった。この話には、ジョンの元恋人ビッキーが登場している。フィッシングツアーの事業に行き詰まり、店を売り払おうとしている夫のスコティを説得して欲しいとビッキーから頼まれたジョンが彼女と一緒にスコティのいる島を訪れるが、そこでスコティの遺体を発見。ジョンがスコティを殺した犯人を探し出すと言う内容だった。この話、ラストは意外な展開を見せているが、クライマックスシーンでジョンはエアーウルフに乗らず、地上で事の成り行きを見守っているだけと言う…。残念ながらエアーウルフシリーズの最終話として見ると、あまりに物足りなくて印象が薄かった。
ホークやケイトリン、アークエンジェルの再登場の期待もあったが、結局実現ならず。ナイトライダーの日本版の最終回と同じく、エアーウルフも主人公とその恋人の話で幕を閉じていたんですね。やはり何かと不思議な因縁のある二作品であります。
エアーウルフが日本の地上波で放送されてから26年経過。ほんと早いものですね。関東では、当時、日曜の夜に海外ドラマの放送枠があり、その枠で半年間放送された後に、水曜夜9時のゴールデンタイムに移ったわけですが、その最初の放送日となった1987年4月8日。その日は、同じ時間帯にナイトライダーの放送もあり、水曜夜9時にナイトライダーとエアーウルフが国内で一度限りの視聴率対決をやった日であります。ぼやきでは、もう何度となく書いておりますが、あの日は、本当に困りました。ナイトライダーは、初回からビデオで録画していたので、この日も絶対に逃すわけにはいかなかったし(ちなみにその日に放送されたエピソードは、「復讐の罠!マイケルは2度死ぬ・シグナルGO!高層ビル激走」。エアーウルフは、「ミグ戦闘機と密林上空の死闘!!救援機を護衛せよ」だった)、とりあえずナイトライダーを録画して、リアルタイムでエアーウルフを見ようと思ったが、エアーウルフもビデオに残しておきたかったので、仕方なく2階の人にエアーウルフの録画を頼んで、リアルタイムでは、ナイトライダーを見てしまった。その日を最後にナイトライダーは、月曜の夜8時に放送時間が移動したのですが、今思うとそれは本当にラッキーなことであった。あのまま水曜夜9時に2つの番組が放送され続けていたら、きっとどちらかを諦めていたと思います。
当時は、ゴールデンタイムに移ったエアーウルフを新番組だと思って見続けていたので、ホーク達がメインのシリーズが半年ぐらいで終了してしまったことに疑問を持っていました。後にゴールデンタイムに移る前の最初の25話分が関西では、深夜に放送されていたことを知り、非常にがっくりしたのを覚えている。結局、リアルタイムでは、シーズン2の一部とシーズン3のエピソードしか見ることができなかった。残りの25話分は、1995年のサンテレビでの再放送で埋め合わせをし、実に8年も待たされることに。95年辺りは、各家庭にビデオデッキが2台、3台、当たり前のようにあった時代。うちにも当時東芝アリーナと言うS-VHSデッキがあり、それでエアーウルフの再放送を録画しまくった。今もその時録画したビデオが残っていますが、今やハードディスクレコーダーの時代となり、ビデオデッキの新製品は、もはや皆無。僅かながらレコーダーとの一体型と言う形でVHSは残っているが、S-VHSは、完全に姿を消してしまったので、当時のビデオが本来の画質で見れなくなってしまった。レコーダーに録画してDVD化しようにも、最近まで使っていたパナソニックのS-VHSデッキがついに故障し、それもできなくなってしまう始末。エアーウルフは、シーズン3までDVD-BOXが発売されているし、もちろんそれも購入して持っているが、テレビ放送版の映像もやはり貴重なので残しておきたい。とにかくS-VHSの復活望む。
それはさておき、ゴールデンタイムに移ったエアーウルフは、5話目にしてあのレッドウルフが登場した。ナイトライダーにカールと来れば、エアーウルフは、レッドウルフかと、当時ニヤリとしたものです。エアーウルフとレッドウルフのその華麗なドッグファイトは、今見ても見応え十分でありますが、エアーウルフとの対決に敗れたあのレッドウルフが再び??復活したエピソードがあることを覚えておられるであろうか・・・。
「最強の敵スコーピオンを撃墜せよ!!セント・ジョン新騎兵隊出動」
新エアーウルフ復讐編の第2話として放送されたこのエピソードにあのレッドウルフが「スコーピオン」と名を変えて再び登場した。元CIAエージェントの女がインディアナ墓地で見た青い閃光を発端に、セントジョン達がその謎を探り始めると言うストーリー。この話、非常に期待していたのだが、見たらズッコケ。スコーピオンと呼ばれるヘリが本当に名前を変えただけの完全なレッドウルフであり、しかもドッグファイトシーンもまた完全なる使い回しという…。ドッグファイトだけでなく、洞窟からの脱出シーンもやはり使い回し映像だったという…。制作費が少なかったとはいえ、せめて2、3カットぐらいは、新撮のシーンを入れてもらいたかったものだ。まあでも編集は見事なものでした。レッドウルフ戦を知らない人が先にこのエピソードを見たら、ほぼ違和感なく楽しめるでしょう(苦笑)。
ドミニク・サンティーニを演じたアーネスト・ボーグナインが亡くなった。2ヶ月程前にこのブログに書きましたが(「CIAのドミニク」を参照)、最近もブルース・ウィリス主演の「RED(2010)」と言うアクション映画にCIAの記録保管員役で出演していて、とても元気そうなお姿を見かけたばかりだったので、また何かの作品でお見かけできるものと思っていたのですが、残念です。
ボーグナインを知るきっかけはやはり『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』。日テレ水曜夜9時のゴールデンタイムに突如として現れた怪物番組にとても堅物で頑固そうな爺さんが出ているではないか。しかもエアーウルフのパイロットと言うからさらに驚いた。当時は、こういうアクションものなら、普通もっと若い奴がパイロット役をやるものだと言う固定観念みたいなものがあったのだが、よくよく考えてみると、ドミニクの世代は、第2次大戦を経験している世代。しかもドミニクを演じるボーグナイン自身もその時、海軍に所属していたと言うから、その経験がドラマの中で見事に活かされ、ドミニクと言うキャラをより魅力的にしていたのだと思う。
ドラマの中でドミニクは、若い奴らには負けないと言う戦争世代の力強さとか根強い気概を見せることが多かったが、実際、日本人も含めてリアルな戦争時代の世代の人もそういう気概を持った人が多かったと思う。シーズン1の「高速100kmの不時着!! 死のスタント飛行(ONE WAY EXPRESS)」では、急遽飛び込んできたヘリスタントの仕事のことでドミニクとホークが喧嘩をするシーンがあるが、年老いたドミニクに危険なスタントは止めさせようとするホークに対し、ドミニクは、自分の老いを頑なに認めようとせず仕事を強行しようとする。ドミニクのその意地っ張りな部分は、カッコ良いところでもあったし、やはり過酷で厳しい戦争時代を乗り越えた世代の本音を現していたのではないかと思います。
エアーウルフは、最初映画だと思っていたのだが、いきなり水曜の夜9時に始まり、テレビのミニシリーズなのかと思いきや、1987年4月から翌年の3月までびっしり一年間(10月からシーズン4に当たる「新エアーウルフ復讐編」がスタート)あの映画のようなクオリティのスカイアクションが毎週展開されていた。今では本当に考えられないくらいスケールのでかいドラマだったが、ドミニク役のボーグナインは、当時、70代目前と言う年齢でこのドラマに出演していた。そのことにおいてもまさに戦争世代の力強さと言うか、ボーグナイン自身のパワフルなアクター魂を感じる。
ボーグナインを追悼するために昨夜は、DVDでシーズン3初回の「99の顔を持つ大怪盗!!砂漠の秘密基地掃討戦(THE HORN TO PLENTY)」を見た。大怪盗ジョン・ブラッド・フォード・ホーンがホークを洗脳して、エアーウルフを奪おうとするエピソードですが、この話の冒頭でもドミニクは、歳のことでぼやいていた(笑)。しかも、洗脳されたホークがドミニクを銃で撃つと言う衝撃的な展開も見られる。この頃になるとドミニクはもちろんのこと、ケイトリンも普通にエアーウルフを操縦できるようになっているからシーズン1の時のようなホークとドミニクの激しい葛藤が見られなくなっているのが少しさびしい。ちなみに、ジョン・ブラッド・フォード・ホーンの声は、最近亡くなられた青野武さん。ホーンの娘アンジェリカ(一時期「ナイトライダー」マイケルナイト役のデビッド・ハッセルホフの奥さんだったキャサリン・ヒックランドが演じている)の声は、ナイトライダーのボニーの声でも御馴染みだった小山茉美さんだ。
少し横道にそれるが、ボーグナインの訃報のすぐ後に、必殺シリーズでおりくを演じた日本を代表する女優・山田五十鈴さんの訃報を聞いた。二人には、意外な接点がある。共に1917年生まれで、亡くなった年齢も同じ95歳。同時代を生きた日米の名優の不思議な運命のつながり。やはりまた一つの時代の風が通り過ぎていったのだと深々と身に染みながら、お二人のご冥福をお祈り致します。
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